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「Gmail読まれた」と憤慨する前にやるべきことGoogleさん

» 2018年07月08日 07時56分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 GoogleさんのGmailと連携するサードパーティーアプリが「Gmailの内容を読んでいる」という記事が一部で話題になりました。Googleのサービスが個人情報を搾取している、というような話はこれまでにも何度も出ています。

 そのたびに、Googleは「いやいや、だって、アプリをインストールするときにあなたが情報共有を承認してるじゃないですか」と説明します。

 たしかに、インストールする前にも、アプリを初めて起動するときにも、電話番号や連絡先にアクセスします、などの通知が表示されます。

 apps 0 Instagramを初めて起動したときに表示される通知の例

 それでも、そうした通知を読まずにどんどんインストールしてしまう人が多いようで、「そんなこと知らなかった!」と憤慨することになります。

 apps 1 LINEのアクセス権限

 Google Playストアの各アプリのページには、必ず「このアプリのアクセス権限」というコーナーがあって、ここにどんな個人情報にアクセスするかが明記してあります。

 例えば「LINE」の場合、端末内の写真、連絡先の住所や電話番号、位置情報、SMSの受信、なんのアプリを実行しているか情報など、スクロールしないと表示しきれないほどのいろんなことにアクセスを許可するようになっています(LINEを例に出しましたが、メッセージング関連の多くは似たような感じです)。中には設定で無効にできるものもありますが、「オプトアウト」設定なので何も考えずにインストールすれば全部有効です。

 納得してインストールしても、気は抜けません。アップデートのときにアクセス権限が追加されることがあるからです。少し前のこと、信用している家計簿アプリがアップデートでアプリの機能に関係なさそうな情報へのアクセス権限(Bluetooth接続情報その他の詳細情報へのアクセス)を追加しようとしていたので、「これは何のためですか?」と問い合わせたところ、「間違えでした。そのアクセス権限は取り下げます」と返事がきました。聞いてみるもんです。だれも確認しなければ、そのままになっていたのかもしれません。

 気は抜けないとは言ったものの、そんなわけで、アプリ開発者はこそこそデータを盗んでいるわけではありません。ちょっと面倒でもアプリをインストールするときに説明ページを読めば、どんなデータを提供することになるのか分かるようになっています。

 また、Googleはアプリの自動更新を推奨していますが、[設定]→[アプリの自動更新]を無効にしておくと、インストール済みのどのアプリが更新したかが分かるので、アクセス権限の変更もチェックしやすいです。それに、どんな新機能が追加されたかも分かるので便利……なはずなんですが、更新時に更新内容の説明をするのはアプリ開発者の義務ではないらしく、最近では更新内容の説明を更新していないアプリが多くなってきました。

 そもそもGoogleのアプリからして更新内容の説明が古いまま。例えば今の「Googleアプリ」の説明は数カ月前から変わっていません(アプリはその間何度もアップデートされています)。Instagramなど、「デベロッパーからの情報はありません」と表示されてしまいます。

 apps 2 せっかくの新機能説明コーナーですが、あまり活用されていないようです

 ユーザーがほとんど見ないことが分かっていて、それで積極的に対応しないのかもしれません。便利な機能なので残念です。利用が増えれば改善されるかもしれません。安全のためにも、Playストアアプリで新機能のチェックをしてみるといいと思います。

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