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「ネットマナー守って」の難しさ 今のSNSが生きづらいワケITりてらしぃのすゝめ(1/3 ページ)

» 2018年08月16日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 先日、Twitterに関連するサービスが炎上していました。簡単にこの件を述べると、Twitterに投稿されたイラストを機械的に収集し、それらをまとめてWebサイトを構築するというサービスに対し、“絵師”と呼ばれるイラスト制作者たちが反発したという問題です。

 機械的に収集されたイラストの表示方法は、Twitterの規約的には問題はありません。しかし、「規約上他のサイトにAPI経由で表示される」ということを了承してサービスを利用している方が、ルール上正しく利用しているWebサービスを“マナー違反”だと糾弾して火がついていきました。詳しくはねとらぼの記事をどうぞ。

SNS イラストまとめサービス「Buhitter」(モザイクは編集部によるもの)

 法律とルールも難しい線引きですが、ルールとマナーの線引きはもっと込み入った問題になりがちです。ネットでは古くから「ネチケット」と呼ばれる、ローカルルールのようなものがありました。

 特にTwitterは利用者が増えて裾野が広がった結果、多くのコミュニティーがローカルルールを作りつつ、全てがフラットにつながっていることがあつれきを生んでいるようです。Twitterを眺めていると、よくこういう事象は見られますね。

 上記ねとらぼの記事を書いた記者もその点をよく理解しており、サービス開発者側の見え方とイラスト制作者のお気持ちの両方に寄り添った内容でまとめています。

SNSでローカルルールは通用しない

 恐らく、投稿者(イラスト制作者)からすると「見るならマナーを守って見ろ」という思いがあったのでしょう。しかし、その“マナー”とは、見る人の数だけ存在するごくごく狭い範囲でのもの。投稿者は同好の士にだけ見てもらえればいいと思いつつも、世界に向けて発信しているわけですから、すれ違うのは当然です。

 「見てもらいたいけど見せたくない」や「見てもらいたい人だけに見てもらいたい」というのは気持ちとしては分かるものの、今のSNSにおいては現実的ではありません。

 特にイラスト周りは権利的な問題もあり、同好の士には見てもらいたいけれど、そうじゃない人からは隠れたいという思いが非常に強いコミュニティーだと思います。

 そもそもTwitterのようなオープンなSNSとは相性が悪いとはいえ、インターネットを始める方にとっては、Twitterは最初のインターネットサービスである場合も多く、どこかでこういった衝突を経験することになるのかもしれません。

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