陰謀論者のアレックス・ジョーンズ氏のアカウントを凍結しないことや、凍結を回避しようとしたアカウントの凍結などで波紋を呼んでいる米Twitterのジャック・ドーシーCEOが、米Washington PostのインタビューでTwitterの課題について語った。
ドーシー氏は7日、AppleやFacebookなどがジョーンズ氏のコンテンツやアカウントを締め出す中、ジョーンズ氏はTwitterのポリシーに違反していないとしてアカウントを凍結しないとツイートした。
同社はその後、ジョーンズ氏の幾つかのツイート(具体的にどのツイートを指すのかは公表していない)を問題視し、ジョーンズ氏および同氏が運営するInfowarsのアカウントを1週間の“タイムアウト”にした(米CBSが最初に報じ、ドーシー氏はWashington Postのインタビューでこれを認めた)。タイムアウトとは、ツイートやRTはできないが、ログインはできる状態だ。
ドーシー氏はこの対処について自身のTwitterアカウントで、1週間のタイムアウトでも対象者の行為が改善されない場合は凍結に進めるとツイートした。
ドーシー氏はインタビューで「われわれにできる最も重要なことは、Twitterに組み込んだインセンティブについて考えることだ。それは、われわれがユーザーにしてほしいことの観点を体現している。そして、私はそのインセンティブはもはや正しくないと思っている」と語った。これは恐らく、ユーザーが見たい情報を優先的に見せることを指すとみられる。
Twitterは時系列のタイムラインをやめ、アルゴリズムによるユーザーに最適化したタイムラインを提供している。これにより、不正でも話題性のあるツイートはRTによって急速に拡散されるようになった。Twitterでは匿名でのサインアップが可能なため、フェイクアカウントを大量に作ることで不正な情報を拡散させることも難しくない。
Twitterはポリシーの変更やbotアカウントの大量削除などでこの問題に対処中だ。ドーシー氏は「こうした問題に対処するために頻繁にポリシーを変更しているが、表面的な対策にしかなっていないと思う」と認めた。
FacebookやGoogleと比較してリソースが限られるTwitter(2017年第4四半期にようやく初めて黒字になった)は、「何かを実施しようとすれば、他の何かを諦めることになる」とドーシー氏。
ドーシー氏が選んだのは、まずは不正なツイートの拡散対策。その1つは、「不正なツイートを正確なコンテキストで囲むこと」という。また、botアカウントにはbotだと分かるラベルを付けるようにするとしている。
このインタビューでは、凍結回避アカウントの凍結については触れられていないが、これも不正なツイートの拡散対策の一環とみることができる。
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