富士通は8月22日、スーパーコンピュータ「京」の後継機(ポスト京)に搭載するCPU「A64FX」の仕様を発表した。倍精度(64ビット)浮動小数点演算のピーク性能は2.7TFLOPS以上。ポスト京に搭載することで、従来の京と比べて最大100倍の実行性能を目指す。2021年ごろに稼働を始める計画だ。
新開発のCPUは、英Arm Limitedの命令セットアーキテクチャ「ARMv8」を採用し、高性能計算システムのベクトル処理能力を拡張する「SVE」(Scalable Vector Extension)を世界で初めて実装した。
CPUとCPUの間を、独自のネットワーク(Tofuインターコネクト)で直結し、並列性能を向上したという。倍精度(64ビット)浮動小数点演算のピーク性能は2.7TFLOPS以上で、単精度(32ビット)ではこの2倍、半精度(16ビット)では4倍の処理能力になるとしている。
京は、スーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」で2011年6月、11月に2期連続で世界1位を獲得したが、その後は順位を下げ、18年6月には16位に転落している。1位奪還を目指すポスト京は、理化学研究所と富士通が共同開発し、創薬や気象予測などの分野で活用を見込んでいる。
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