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ソシャゲのチートにも「海賊版サイト」 知識なくても使える不正アプリ横行CEDEC 2018(1/3 ページ)

» 2018年08月27日 12時28分 公開
[村上万純ITmedia]
チート 大日本印刷のグループ会社DNPハイパーテックでAndroid向けセキュリティソフト開発などを行う高藤寿人さん

 スマートフォンのソーシャルゲームにおけるユーザーの不正行為(チート)にゲーム会社が頭を抱えている。チートは、ゲームを有利に進めるためにコンピュータに本来とは異なる動作をさせる行為で、ゲーム内キャラクターの攻撃力などのステータスを変更し、難易度が高いダンジョンを簡単にクリアできるようにする、ゲームのソースコードを読み込んで未公開のゲームシナリオや画像を抜き取る――などがある。

 「最近はチートのトレンドが変わってきた」と話すのは、大日本印刷のグループ会社DNPハイパーテックでAndroid向けセキュリティソフト開発などを行う高藤寿人さん。8月24日にゲーム開発者イベント「CEDEC 2018」で行った講演で、昨今のチート傾向やその対策を説明した。

チートのリスクと脅威

 チートの代表例は先に示した通りだが、他にも最近人気の位置情報を使ったゲームではGPS情報の改ざんが問題視されたりと、各タイトルによってクリティカルな問題は異なる。

チート チート行為の例

 高藤さんは「自社のゲームにとって何が脅威であるかを正確に把握することが大事」と話す。

 各社はチート対策に多大な時間的・金銭的コストを払っている。チートで有料アイテムを不正入手されると課金の機会を失うことになり、ゲーム内パラメータを改変されるとゲームバランスの崩壊を招く。それぞれ収益の低下やユーザー離れにつながる深刻な問題だ。

 高藤さんによると、最近はSNSやアプリストア内のレビューで炎上することで自社タイトルのイメージが低下してしまうことや、チート対策で開発・運用コストが増加することに悩む企業が増えているという。

不正アプリを売る「海賊版サイト」

 かつては、チートをするには専門知識が必要で、Android端末ならroot化、iOS端末ならJailbreak(App Storeで流通していないアプリを動作させるための不正操作)などをし、専用の改造ツールを使う必要があった。しかし、今は改造済みの不正アプリを「海賊版サイト」などで入手することで、端末の改造や専用ツールも不要になった。

チート 海賊版サイト
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