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初代iPhoneのUI設計は困難を極めた

» 2018年08月29日 12時00分 公開
[MACお宝鑑定団]
MACお宝鑑定団

 Appleで約22年間ヒューマンインタフェースを中心としたデザインディレクターを務めたイムラン・チョードリ氏は、自身の倫理観とAppleの意思決定とは必ずしも一致していなかったと考えている。チョードリ氏の話を聞いたFast Companyがそう伝えている

photo イムラン・チョードリ氏

 チョードリ氏は、初代iPhoneにおける最初の開発メンバー6人のうちの1人で、プロトタイプ開発の初期段階で「着信拒否」にどう応答すべきかを考えていた。

 iPhoneへの機能制限に関するコントロールレベルについては、スティーブ・ジョブズCEOは内心理解していたと思うが、マーケティング部門から受け入れられないと差し戻されることもあり、非常に困難を極めたという。

 大企業における製品設計は複雑な性質を持っていて、会社の利益、顧客へのサービスを倫理的に成立させ、企業として設計することは本当に複雑なことなのだと語った。

 チョードリ氏は「それらをユーザーが否定するのは簡単なことで、ましては正しくないとまで言われる。しかし、バランスをとることを選んでしまうとさらに難しくなり、時には諦めも重要で、なにか変更と十分ではないというが、少なくとも正しい方向に進んでいる」と話したそうだ。

 チョードリ氏はインタフェースについて「ノブとダイヤルからクリックやスワイプ、さらに声と感情に移行するのは自然な流れだ。ノブやダイヤルは人間工学の問題となり、クリックやタップは繰り返しストレス障害の問題となる。人類がマシンを操作する上で不自然な何かと取り組む時間が発生する。それを先読み予測することで、スマートな操作性が可能になるだろう」と考えている。

photo 初代iPhone

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