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» 2018年09月14日 08時00分 公開

「運がよかった」 “AIが考えた”日清の新商品 甘くない開発の舞台裏 (1/2)

日清食品が9月3日に発売した「カレーメシ」の新商品は、AI(人工知能)を駆使して生まれた一品だ。約2400万通りの食材の組み合わせから、AIがレシピを選定した。

[片渕陽平,ITmedia]

 とろみのあるカレーを頬張ると、甘酸っぱいトマトとチキンのうま味が口の中に広がり、ガーリックとジンジャーのスッキリとした味が後を引く――そんな日清食品の「カレーメシ」新商品(9月3日発売、税別220円)は、AI(人工知能)を駆使して生まれた一品だ。約2400万通りの食材の組み合わせから、AIがレシピを選定した。

photo 日清食品の金子大介さん(マーケティング部 第7グループ ブランドマネジャー)

 「話題性のあるAIを食と組み合わせれば、面白い商品ができるのではないか」――日清食品の金子大介さん(マーケティング部 第7グループ ブランドマネジャー)は、開発当初そう考えていたという。

 しかし、実際はそんなに甘くはなかった。商品開発は約7カ月に及び、その間、AIからは「とんでもないレシピ」も飛び出したという。金子さんが「危うかった。運がよかった」と振り返る開発の舞台裏を聞いた。

AIがレシピを選定、仕組みは?

 カレーメシは、お湯を注いで5分間待ってからかき混ぜると、とろみのあるカレーが完成する“カップメシ”。これまでに「カレーメシ ビーフ」「カレーメシ シーフード」「ハヤシメシ デミグラス」「キーマカレーメシ スパイシー」を発売した。ラインアップを拡充する中で、金子さんらが着目したのがAI技術だった。

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 新商品は、まず手本となるターゲットメニューを探し出し、その味を再現しながら商品化していく。このターゲットメニューを決める方法として、AIを活用することにした。新商品の方向性は(1)それまで発売したカレーメシとは“距離がある”味、(2)カレーメシのファンだけでなくカップヌードルなどのファンも好む味――だった。

 ただ「(AIなどの)テクニカルな知識は持ち合わせていなかった」(金子さん)ため、外部のデータサイエンティストが開発に協力した。

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 手順はこうだ。まず、外部企業が提供する消費者の購買データから、カレーメシなどインスタント食品を購入している(もしくは購入しそうな)人と、そうでない人を抽出した。大手レシピサイトとも連携し、彼らが普段どんなレシピを閲覧しているかを分析。各人が閲覧しているレシピには、1人前当たり小麦粉が平均●●グラム、卵が平均●●個入っている――と割り出しておく。

 その上で、購入している(しそうな)人とそうでない人が混ざった状態から、両者をきれいに分けられる条件を探す。例えば「小麦粉を平均●●グラム以上使っているか」「卵は●●個以上」「トマトは●●個以上」というような条件だ。

 こうした条件の組み合わせによって両者を二分できると、それらの条件がそのまま食材の組み合わせ(レシピ)になる仕組みだ。条件の抽出には、複数のAI技術を用いたという。

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