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非接触ICカード型「仮想通貨ハードウェアウォレット技術」、ソニーの技術応用して開発

» 2018年10月23日 14時56分 公開
[ITmedia]

 ソニーコンピュータサイエンス研究所は10月23日、ソニーのICカード技術を応用し、非接触ICカード型の「仮想通貨ハードウェアウォレット技術」を開発したと発表した。ICカードを使って秘密鍵を安全に生成・保存できるとしており、技術の事業化に向けた取り組みを進める。

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 仮想通貨は、一般に公開される「公開鍵」と、ウォレット所有者のみが知る「秘密鍵」の組み合わせで管理する。送金などの操作には秘密鍵が必要で、万一、秘密鍵がもれると、自分の仮想通貨を他人に送金されるといった事態が起きる。ハードウェアウォレットは、秘密鍵をオフラインのハードウェアで管理するための端末で、秘密鍵をオンラインから切り離すことで、ハッキングによる流出などのリスクを避けられる。

 同研究所は、ソニーのICカード技術を応用し、ICカードハードウェア関連技術と、相互認証・暗号通信技術を含む技術を開発。USBでPCと接続する既存のハードウェアウォレットと異なり、ICカード型なので小型で持ち運びやすいほか、ICカード内のモジュールは外部から解析・改ざんされづらいため、より安全に秘密鍵を生成・保存できるとしている。

 仮想通貨の取引での利用だけでなく、ブロックチェーン技術を応用した個人情報管理システムでユーザーが個人情報の利用を許諾するために使う秘密鍵の管理など、さまざまなアプリケーションへの応用が可能な技術だとし、事業化に向けて取り組んでいく。

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