スマートフォンとしての使い心地がかなりいいと分かったところで、気になるカメラの使い勝手をチェックしてみましょう。Pixel 3/3XLには、有効1220万画素のアウトカメラと有効800万画素のデュアルインカメラ(広角/標準)を搭載しています。シャッター音は「ポコン」というかわいらしい音で、かなり控えめです。
ハイエンドモデルは複数のカメラを搭載するのがトレンドである中で、アウトカメラはPixel 3/3 XLともに1つです。しかし、カメラでポートレートモードを使うときれいな背景のボカし効果を楽しめます。AIで人物や物体と背景を切り分けで、うまく処理しています。Appleの「iPhone XR」と似たような仕組みでしょう。
ボケは撮影後の処理で加えられるため、写真を表示すると一瞬待たされたあとにボケが加えられた写真が表示されます。ストローを挿したグラスを撮ったところ、ストローまできっちり認識したのには驚きました。
ほとんどのスマートフォンは、ストローや箸などの細長い物体は、ボケて背景と同化してしまう傾向があります。ゆえに、ボケがきれいでも違和感を生む原因でもあったのですが、Pixel 3/3 XLではその心配もなさそうです。
ポートレートモードでは、被写体までの距離が自由というのもうれしいポイントです。好きな場所からフレーミングでき、人物だけでなく静物でもOK。背景をボカした写真が撮りたいという方はかなり満足できるはずです。
撮影した写真は、編集画面からフィルターが適用できるほか、ピントの位置や明るさ、カラー、奥行き(ボケの量)を調整でき、角度の調整やトリミングもサポートしています。そのまま別の編集アプリも呼び出せます。
カメラの絵作りとしては、全体的にシャープで硬め。そこにボケがプラスされるので、作り込んでいる感は否めないのですが、テーブルフォトから風景まで、誰でも簡単にメリハリのある写真撮影を楽しめます。
Pixel 3/3 XLは、人物の肌をきれいに整える機能、通称「美肌モード」をサポートしています。ポートレートモードなら、メインカメラとフロントカメラのどちらでも使えます。
ただし、モードが「オフ、ナチュラル、ソフト」の3段階しかなく、細かい調整ができません。多くの場合、スッピン状態でも撮れるわけではなさそうです。疲れによるクマなど、コンディションの悪さはそのまま出てしまい、少なくとも筆者の場合スッピンは無理でした。
気になったのは、美肌処理がポートレートモードの背景ボカし同様に、撮影後に行われる点です。シャッターを切るまでは、どのような補正がかかるか見えないのは残念です。
セルフィー体験は、撮影する前から始まっています。まず補正された自分の顔をディスプレイ上で見て盛り上がります。きれいになっているのが分かるから、それを残したくてシャッターを切るのです。撮影後も盛られた写真を見てさらに楽しみます。
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