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「Pixel 3/3 XL」のカメラ、セルフィーはイマイチ? “アラフィフセルフィスト”のすずまりが試した(1/3 ページ)

» 2018年10月30日 08時00分 公開
[すずまりITmedia]

 11月1日、日本でGoogleオリジナルブランドのスマートフォン「Pixel 3/3 XL」が発売されます。カメラの画質に定評のあるPixelシリーズですが、今回はアウトカメラがシングルなのに対して、インカメラがデュアルレンズになっているというのです。

 「え? もしかしてセルフィーに気合い入ってるの?」──というわけで、“アラフィフセルフィスト”のワタクシのところにチェック要請がやってきました。1週間ほどお借りできましたので、実際に使って感じた印象をお伝えしたいと思います。

photo アラフィフセルフィスト”こと、すずまり

 Pixelシリーズは、2016年10月に初代「Pixel/Pixel XL」、17年10月には「Pixel 2/2 XL」が登場していますが、残念ながら日本市場には投入されませんでした。今回のPixel 3/3 XLはGoogle直販で販売されるSIMフリー版に加えて、NTTドコモとソフトバンクから発売されるキャリア版も用意されます。しかも日本独自機能の「FeliCa」を搭載しているとあって、発表直後から話題を集めています(参考記事)。

新しいナビゲーションで使いやすいPixel 3

 Pixel 3は5.5インチ(443ppi)、Pixel 3 XLは6.3インチ(523ppi)で、2サイズから選べます。いずれもフレキシブル有機EL(OLED)ディスプレイを搭載していますが、Pixel 3 XLのみ、画面上部にノッチ(切り欠き)があるのが特徴です。

photo 「Pixel 3」(写真=左)と「Pixel 3 XL」(写真=右)

 持った感じは、どちらも「とても薄く、軽い!」というのが最初の印象です。特にPixel 3 XLは見た目の印象よりもかなり軽く感じました。実際の重さは187グラムなので、同クラスのスマートフォンと比べても特に軽いわけではないのですが、持ったときのバランスがよく、負担を感じにくいのです。

 Pixel 3の重さは148グラムでさらに軽量。しかも幅が68.2mmなので、画面は小さく感じないのに全体ではとてもコンパクト。つまりコンパクトなスマートフォンが好きな人にも、大画面でも軽いスマートフォンを使いたい方のどちらもカバーできる端末ということです。

photo 見やすくて軽いPixel 3 XL

 試用機として両方を手にした私は、悩んだ末にPixel 3 XLをしばらく使うことにしました。写真を楽しむには大きな画面のほうがありがたい。しかも大きさの割に負担を感じにくい重さだったからです。

 Pixel 3は最新の「Android 9 Pie」を採用しています。ユーザーの利用履歴に基づいて、ユーザーが使いそうな5つのアプリを提案してくれる「App Actions」や、あまり使わないアプリがバッテリーを消費しないように、うまく処理能力を調整する「Adaptive Battery」、使っているアプリや周囲の明るさに合わせたディスプレイ輝度の自動調節など、AI(人工知能)技術を活用した新機能を搭載しています。中でも大きく変わったのが、画面下部に表示されるナビゲーションバーです。

photo 「Android 9 Pie」からナビゲーションが新しくなりました

 これまでのAndroidスマートフォンには「戻る、ホーム、マルチタスク」といった3つのボタンが並んでいるのが当たり前でした。順番の入れ替えや操作時の表示のオンオフといったコントロールはあるとしても、これらのボタンが操作の基本であることにはかわりはありません。

 しかし、Android 9 Pieからは画面下中央に楕円形のホームボタンが1つあるだけ。このボタンを長押しするとGoogleアシスタントが起動し、1回タップするとアプリが終了します。上にスワイプすると最近使ったアプリが5つ表示され、同時にユーザーの利用履歴をもとにレコメンドする5つのアプリアイコンが並びます。そこからさらに上にスワイプすると、アプリの一覧を表示します。戻るボタンはありませんが、アプリごとに画面左下に戻るアイコンがついてきます。

photo 楕円系のボタンが1つついているだけ

 この動作、そう。やはりホームボタンを廃止したiPhone Xシリーズに似ています。ホームボタンのないiPhone Xの利用経験がない方はちょっと戸惑うかもしれませんが、iPhone Xのとき、なんだかんだいいながらすぐ慣れて、むしろアプリの切り替えでスワイプするクセがついてしまった人が続出したように、Android 9 Pieのナビゲーションも受け入れられると思います。

 実際、全体の動作は非常に軽快で、背面の指紋センサーの反応も良好です。滑らかすぎて、うっかり利用履歴一覧の画面を出してしまうこともありますが、全体として気持ちよくサクサクと操作できます。

 本体は水深1.5メートルで約30分間も耐えられる「IPX8」の防水性能付き。日本向けのモデルはFeliCaに対応していますし、OLEDである点を生かして画面ロック中でも日時や天気といった情報を常に表示できます。日常で使うにはなんら不満のない仕上がりです。

 ちなみにスタンド型のワイヤレス充電器「Pixel Stand」をつかえば、急速充電も載せるだけで簡単です。さらに充電中にPixelのGoogleアシスタント機能をスマートスピーカーのように使ったり、ディスプレイの光を目覚まし代わりにしたり、デジタルフォトフレームとしても楽しめる機能もあったりして、活用シーンが広がります。

photo 置くだけで充電できるワイヤレス充電器「Pixel Stand」。急速充電しながらスライドショーも

 ただ、実際に使ってみると「OK、グーグル」呼びかけても反応しないことがあるなど、Google Homeに比べると声の拾い具合に差はありました。とはいえ、視覚情報付きで検索結果を確認できるのはかなり便利です。Googleアシスタントは端末を置いたままでも呼び出せるのですが、起き上がっていて画面が見やすいだけで利用頻度は上がるのです。

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