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日販とトーハン、物流協業へ 出版市場縮小・物流費の高騰受け

» 2018年11月20日 12時18分 公開
[ITmedia]

 出版取次最大手の日本出版販売と2位のトーハンは11月19日、両社の物流拠点の相互利用や統廃合などを含めた、物流協業の検討を始めることで基本合意したと発表した。出版物の売り上げが激減し、物流費が高騰する中、協業によって効率化を進める。

画像 日本出版販売のニュースリリースより

 協業が独占禁止法に抵触する恐れがあることから、公正取引委員会に事前に相談した上で基本合意に至った。両社からメンバーを選んでプロジェクトチームを設置した上で、具体的な検討を進める。独禁法に触れないよう、両社間で厳密な情報遮断措置を講じることを前提に、実現可能性と経済的合理性を評価して方向性を検討する。

 出版物の売り上げは1996年をピークに、17年度はその52%程度の規模に縮小。輸送コストの上昇と相まって流通効率が悪化する中、出版物流網をいかに維持するかが業界全体の課題になっているという。協業を通じてこうした課題を解決するほか、「プロダクトアウトからマーケットインを目指した抜本的な流通改革への新たな一歩となることを目指す」としている。

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