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世界最速、1波600Gbpsの光伝送に成功

» 2018年12月11日 18時50分 公開
[ITmedia]

 国立情報学研究所(NII)とNTT東日本、NTTは12月11日、1つの波長で600Gbpsの伝送が可能な光伝送ネットワークを構築し、その上で587Gbpsのデータ転送実験に成功したと発表した。次世代の基幹光ネットワークを目指す技術開発の一環。NIIが開発したファイル転送プロトコル「MMCFTP」(Massively Multi-Connection File Transfer Protocol)を用いた。

実証実験用光ファイバー

 東京都千代田区一ツ橋(NII)から千葉県の柏市で折り返す102キロメートルの実証実験用光ファイバーを使用。NTTが開発したデジタル信号処理技術と最大100GbE(ギガビットイーサ)を6本多重できるOTUCn技術により、1つの波長で最大600Gbpsのデータ転送が可能なネットワークを構築した。

1つの波長で最大600Gbpsのデータ転送を可能にした

 MMCFTPを用いて1台のサーバから2台のサーバへの転送、また2台のサーバから1台のサーバへのデータ転送を行った結果、それぞれ587Gbps、590Gbpsのデータ転送速度で40TBの大容量データ転送に成功した。「約9分で一般的なBlu-ray Disc(1層25GB)1600枚分のデータを伝送した」(同社)。NIIは今後、MMCFTPの実利用を通じて安定化とさらなる高速化を目指すとしている。

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