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「散財ではなかった」 そう思えた10製品CloseBox

» 2018年12月31日 09時33分 公開
[松尾公也ITmedia]

 この時期は「2018年に買って良かったもの」といった記事がたくさん出てくる。「たしかにあれは良かった」「へえ、こんな製品が」と感心することも多いので、自分でもまとめてみた。

 買ったからには満足したい。あれは散財だったなと後悔したくはない。

 2018年に購入したガジェットの中から、筆者が満足した製品10製品と、その理由を挙げてみた。あくまでも個人的な体験に基づくものなので、同じ種類の製品でこれがよかったといった感想も読みたい。

  • iLoud Micro Monitor
  • BEHRINGER MODEL D
  • GoPro HERO7 Black
  • Apple Watch Series 4
  • Sesame Smart Lock
  • iMac 4K
  • Oculus Go
  • JINS Short Temple Airframe
  • iPhone XS Max
  • ヘルシオ ホットクック

楽器を鳴らすだけではなかった、iLoud Micro Monitor

 伊IK Multimediaのパワードスピーカー、iLoud Micro Monitor。中田ヤスタカさんがGENELEC 8010Aに次いでお勧めしていたのが決め手となり、我が家のリビング兼スタジオの楽器用モニタースピーカーとして買った。

 BEHRINGERのサブミキサーを通してYAMAHA DX7、KORG MS-20などのオールドシンセを常時鳴らせるようにするのが目的で、おかげで気が向いたときにキーボードから音を出せるようになった。

photo オールドシンセを鳴らすモニタースピーカーとして

 年末にやっている大学時代の軽音サークルでやる曲を練習するのに活用。本番のセッティングのままで練習できたので、だいぶミスは少なくなったと思う。

 これが便利なのは、Bluetoothスピーカーとしても優秀なこと。ボーカル、生楽器、低域とバランスよく聴こえる。おかげでApple Musicで音楽をすごく聴くようになった。

 原曲を流しながらキーボードを弾くといったこともできるのがいい。ずっとこういうふうにしたかった。

 家まではAirPodsで聴いた曲が、玄関のドアを開けるとiLoud Monitor Speakerに自動的に切り替わり、やはりスピーカーから出る音はいい、となる。そんなつながりが好きだ。

 池部楽器POWER DJ's池袋にて3万9960円(税込)で購入。

持ち運べるMinimoogクローン、BEHRINGER MODEL D

 独BEHRINGER(ベリンガー)はコストパフォーマンスの高いミキサー、オーディオインタフェースなどで人気なメーカー。

 そのBEHRINGERが最近出したアナログシンセサイザーが目に止まった。MODEL D。アナログシンセサイザー(当時はアナログとか言ってなかったけど)の始祖、ロバート・モーグ博士が作り出した、持ち運べるシンセサイザーの傑作、Minimoogの後期モデルであるModel Dを完コピした製品だ。3VCO、Moog独特のラダーフィルター、トグルスイッチとパッチによる柔軟な音作り、これらが全て入っている。音は1つしか出ないモノフォニック。だがそれがいい。

 MinimoogはMIDI規格が登場するずっと以前の製品なのだが、BEHRINGER MODEL DはMIDIインタフェースが搭載されている。ただし、本物と違ってキーボードは省略されている。演奏するにはMIDIキーボードを接続しないといけない。だが、そのことにより、このアナログシンセはリハスタに気軽に持ち込めるものとなったのだ。MIDIキーボードも含めてかわるビジネスリュックの中にぴったり入る。

 「Minimoogなら俺の背中にいるよ」みたいな感じで運べる。先日のライブでは、MIDIキーボード2台とMODEL D、そしてiPad Pro 2枚をリュックで搬入して演奏した。

 Minimoog Model Dはソフトシンセにもなっていて、iPhone、iPadで同じような音作りができる。だけど、つまみを自分でいじりながらリアルタイムで音を作っていくのはやはり違うのだ。

 フィルターを左右にビヨンビヨンと揺らしたり、2番目、3番目のオシレーターをギュイーンとデチューンしたり。むちゃくちゃ楽しい。

photo MODEL Dをミニ鍵盤のMIDIキーボードで弾く

 同じことは、1978年、最初に買ったシンセサイザー、KORG MS-10、MS-20、その再現ミニモデルであるMS-20miniでもできるのだけど、キーボード一体型なので持ち運ぶのはそれなりに大変なのだ。音源だけ切り離したMODEL Dは気楽に持ち運べる。

 BEHRINGER MODEL DはEuroRackという、モジュラーシンセサイザーのハードウェア規格に合わせた変更もできる。箱を取り外して別のラックに収納できるのだ。だがここはまた深い沼なので、距離を置いたままにしておこうと思う。

 このBEHRINGERがクローンするのはMinimoogだけに終わらないみたいだ。Hammond B3、Yamaha DX1、PPG WAVEといった名機を購入したそうだ。自社でやらなかったらBEHRINGERにクローンされる、怖い世の中になったものだ。

 Amazon.comにて4万2427円で購入(今は日本の各ストアで買える)。

人を動かすカメラ、GoPro HERO7 Black

 ジンバルキラーとCEOが明言したアクションカムの新定番、GoPro HERO7 Black。今メインで使っているカメラはこれなのだが、そこに至るには3台を要している。

 今年最初に買ったアクションカムは中国製の無名ブランド品。4Kをうたう、安さとマウントがたくさんついきて5000円もしない。

 股関節炎(2016年8月)と背骨圧迫骨折(2017年3月)というダブルパンチによる2年近くの杖生活からようやく脱却できたのが2018年4月。そこからリハビリ始めた。腰への負担が少ない自転車でということで、中華アクションカムを買い、復活させたロードバイクのハンドルバーに取り付けて記録し始めた。その後、マルチカメラにしたり、GPSによるHUD的オーバーレイを組み合わせたりと工夫したのだが、映像的にはいろいろと限界が見えてきた。分割された映像がうまくつながらなかったり、映像が歪んだり、色補正が思いどおりにならなかったり。

 だが、GoPro HERO6 Blackを購入したらあっさりと問題は解決。色も解像度も使い勝手もよい。電子手ブレ補正の性能も優れている。10倍の値段がするのも納得。中華アクションカムと同じマウントシステムも使える。いや、逆だ。GoProのマウントシステムが業界標準となっているのだ。ハンドルバーマウントなど新たに買うことなく、すんなりと移行できた。

 HERO6 Blackにだいぶ慣れた頃、GoProの新製品が登場する。HERO7は3製品だが、何といってもGoPro HERO7 Black。これは衝撃だった。

 ただでさえ強力な手ブレ補正が、ジンバル不要なレベルまで押し上げられたことにより動画はさらに安定し、TimeWarpという新機能も得た。TimeWarpは動き回るタイムラプス動画なのだが、手ブレ補正が高度化したことにより、別物となった。

 HERO7 Blackをネックマウントして歩いたり、ヘルメットのてっぺんにつけたり、演奏している手元を撮ったり、食べるタイムラプスとか、持ち歩く楽しみが増えた。

 毎日、1時間くらいはこれで録画している。そのビデオログは使ったり使わなかったりだが、少なくとも自転車に乗る原動力の1つにはなっている。

 GoPro公式ストアにて4万9800円で購入。

生活の中心となった、Apple Watch Series 4

 先代のApple Watch Series 3を買ったときにはちょっと冷めてた。

 というのも、その時期は股関節も背骨もいっちゃってて杖をついて歩いていたので健康もなにもないだろうと。

 だからSuicaが使えるというの一択で、初代Apple Watchから切り替えてみたのだが、これがいい。Apple Watchで改札を通り、Apple Watchでコンビニ支払いをする。これだけで生活品質はグンと上がった。買い物はもっぱらApple Watchで(Suicaで)支払えるところになった。杖を片手に持っていると、片手を差し出すだけですむApple Watchは超便利なのだ。

 杖なしで歩けるようになって、リングをコンプリートできるようになったのが4月20日。それからはずっとリングの完成を続けている。自転車で30分走るように、10キロ走るようにと課題を重ねながらリハビリしていき、徐々に体調は戻っていった。

photo 4月20日からリングの完成は続いている

 そして9月14日、Apple Watch Series 4を発注し、21日に届いた。転倒検出に心電図。新しい機能も増えた。自転車に乗っているので転倒検出と自動通知の機能はたいへんありがたい。心電図もがんばって国内導入してほしい。

 幸いなことにこの後は転倒することなく無事にやっている。当然ながら道交法はきちんと守って安全運転している。自転車保険にも入った。

 Series 3のときには一度も使うことのなかったセルラー機能もオンにした。おかげで、近所に出かけるときや自転車に乗るとき、iPhoneを忘れていくことが多くなった。意図的ではなく、自然に忘れていて、それで何不自由なく帰宅する。生活の中心軸がApple Watchに移動しているのがわかる。

 Series 4ならではの良さとしては、Suicaの到達範囲が伸びた点が挙げられる。改札を通るとき、左手に装着したApple Watchを右にクロスさせているのだが、そのときに奇妙なダンスをしなくて済む(それでも変な格好だとは思うが)。

 Apple Watch Series 4(GPS + Cellularモデル - 40mmゴールドアルミニウムケースとピンクサンドスポーツバンド)は6万1344円(税込)にてApple Store(オンライン)で購入。

物理鍵を不要にした、Sesame Smart Lock

 財布もiPhoneも持たずにApple Watchだけで外出できるようになった最大の理由は、スマートロックを我が家に導入したからだ。Apple Watchだけで玄関の錠を開け閉めできる。

 家を出るときはApple Watchで手動で閉めるが、帰りに玄関の前まで近づくと自動解錠される。

 「スマートなんとか」は我が家にたくさんあるが、これはいい買い物だった。いちばんお勧めしたいのは、これだ。Sesameと同等のことができるQrioも周囲では評判が良い。ただし、どちらも玄関の錠が特殊な形状だと使えないこともある。転居する場合、ロックシステムが将来スマート化できるかどうかのチェックはやっておく時代が来たのではないだろうか。

 Amazon.co.jpにて1万4800円で購入。

これ1台で十分な、iMac 4K

 初代MacBook 12インチがそろそろ性能的に限界がきたので、夏ボーナスで21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデルを買った。我が家で初めての4Kディスプレイだ。

 これを導入したことによりWindowsゲーミングマシンを使うことはなくなった。普段の作業、DTM、動画編集とエンコードもこれで十分。性能に不満が出てきたらThunderbolt 3でeGPU増設すればいいし。

 Macで最もコスパが高いのはiMacだなと実感。

  • 3.6GHZ QC I7, TB UP TO 4.2GHZ
  • 16GB 2400MHZ DDR4 ONBOARD MEM
  • 1TB FUSION DRIVE (32GB FLASH)
  • AMD RADEON PRO 560 W/4GB VRAM

 Appleオンラインストアのカスタマイズで22万9824円(税込)にて購入。

電車で、Oculus Go

 Oculus Rift使わなくなった。持ち運べるVR。詳しくは連載「Oculus Go! Go! Go!」をどうぞ。

 2019年のOculus Questでどう進化するのか期待しつつ、それまでは使い続けよう。サードパーティーの頑張りに対し、本体OSの進化がまったく見られないのが残念だが。

 Oculusストアにて64GB版を2万9800円で購入。

短く軽い、JINS Short Temple Airframe

 メガネのつるは通常、耳の後ろまできて、そこに引っ掛ける。JINS Short Temple Airframeはその手前で挟み込む形で軽く留める。一度使ってみると、それ以外は使いたくないくらいに軽くて楽。

 Oculus GoなどのVRヘッドセットでメガネが邪魔だと思うことはなくなっただけでなく、普段使いがこれになっている。

 JINSオンラインショップにて5400円(税込)で購入。地元のJINSショップに配送してもらい、そこでレンズ度数の調整をしてもらった。レンズ込み価格なのがすごい。

 もう1つ購入したいところだが、現在は売り切れ状態で、ブルーライトカットのナイトユース(ショートテンプル)というモデルだけが販売されている。価格は同じ。通常レンズへのカスタマイズもできるが、その分、価格が高くなる。

透明な存在になった、iPhone XS Max

 iPhone Xからのスイッチ。iPhone Xは息子に譲った。

 iPhoneそのものの魅力というものは薄まっていき、AirPodsがあるから、Apple Watchを使いたいからiPhoneにする。そんな、限りなく透明に近い存在になりつつある。

 もちろんApple Watchだけ、AirPodsだけで全ての作業ができるわけではないのだけど、iPhoneそのものはどのモデルでもいいという風になっている。

 フルワイヤレスイヤフォンでもスマートウォッチでもAndroidとは2年以上の開きがある。スマートフォン本体で追いついた気になっていても、その周辺には超えられない壁がいくつもあることに気づくはずだ。

 ソフトバンクで256GBモデルを一括購入で機種変更。16万8000円(税込)。

野菜消費を加速する、ヘルシオ ホットクック

 最近、野菜をたくさん食べるようになった。

 我が家は練馬区の中でも農地が多い地域にあり、近所には新鮮な野菜をひと束100円で売っている農家がたくさんある。隣家でも売っている。たまに買っていたのだが、どうしても余らせてしまう。料理するのが手間なのと、消費するための献立が面倒だったのだ。

 これがぜんぜん余らないようになってしまった。ホットクックのせいだ。

 シャープのヘルシオ ホットクックは、いわゆるスマートクッキングデバイス。材料をむいて切って放り込んでおけば自動的に加熱し、調理してくれる。素材を用意する10分くらいで、あとは30分でも1時間でも待つだけ。

 野菜は近所で採れた季節のものを適当に入れる。肉は入れても入れなくても、ベーコンでもいい。コンソメを2個と塩少々入れて、あとは30分煮込むだけでおいしい野菜スープが出来上がる。水なしで。

 我が家のホットクックはWi-Fi接続や音声機能のない2.4リットル旧モデルをAmazon.co.jpにて3万5800円で購入。

 妻がクックパッドに遺してくれたレシピもこれで手軽に作れるようになった。今、リバプールの家族料理、スカウスを作っている。醤油やみりんの代わりにウスターソースを使う西洋風肉じゃがなので、肉じゃがと同じプリセットで。ただし1回だと煮込みが足りないので2回連続して。鍋は密閉式なので水の量は半分に減らした。

 作り方は妻の声のコエステーションで読み上げてもらっている。

 あ、出来上がったようだ。いただきます。

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