「Appleは、2016年のMacBook Proから問題になっている“Flexgate”を、その存在を認めないまま2018年のMacBook Proで修正したようだ」──。Apple製品の分解マニュアルを掲載している米WebサイトiFixitが3月4日(現地時間)、MacBook Pro(2018)を分解して確認した結果に基づいてそう語った。
Flexgateとは、2016年発売のMacBook Pro以降の「Touch Bar」搭載モデルで複数のユーザーが報告した問題。Appleは筐体を薄くするために、Touch Barとボードを接続するケーブルに薄く壊れやすいフレックスケーブルを採用したが、これがMacBookの開閉のたびに引っ張られることで消耗し、ディスプレイの故障に繋がるとiFixitは説明していた。この故障で、ディスプレイにステージの照明効果のような光がディスプレイ下方から漏れるようになる。
ケーブルはディスプレイに接着されているので、修理するには約700ドルするディスプレイごとの交換が必要。iFixitは、これはAppleの設計に問題があり、この故障については無償修理などのサポートが必要だと主張していた。この問題についてはChange.orgの署名運動にもなっており、本稿執筆現在、1万3800人以上が署名している。
ところが、iFixitが2016年モデルと2018年モデルのフレックスケーブルの長さを比較したところ、2018年モデルのケーブルの方が2mm長かった。
この違いだけで、ケーブルがボードに巻き付くスペースに余裕ができ、ボードと接触しなくなり、ケーブルが摩耗しなくなるので故障が減るとiFixitは分析した。
iFixitは、「これはAppleがFlexgate問題が炎上する前からこの問題を認識していたことを意味する。それでも問題を認めないのは最悪だ」と指摘。MacBook Proユーザーに、Change.orgへの署名あるいはAppleへのフィードバックページへの入力を勧めている。
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