Brand New PC Style / Education:小林道夫さん(神奈川大学附属中・高等学校 教諭)02

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高校生が小学生向けの英語教材を制作!

 小林先生が紹介してくれた生天目(なまため)直哉君、永岡浩治君、本城三紀恵さんの3名の高校2年生(次期3年生)のチームは、『はじめての英語』という小学生向けの学習教材を作品として制作しており、大変興味深い作品を創り上げている。そして、実際に制作や成果を発表する場において、タブレットPCを実際に活用してみたという三人、そして小林先生、実習助手の木次智子さんにもお話をうかがった。

ThinkQuestでの作品制作は先生にアドバイスを受けつつも、生徒主導で進められる。左から生天目君、小林先生、永岡君、木次さん

▼ はじめての英語

チバ  『はじめての英語』はどういう内容のものなんですか?

生天目  はじめて英語を学ぶ小学生が楽しく学べるように作りました。僕がちいさいころ、英語をならったやり方を参考にしてつくりました。文法から学ぶのではなくて、音から学ぶようにしてあるので、音声や動画なども使って作りました。

チバ  3人でどういう風にして制作を進めたのですか?

小林  この3人はとっても仲がよくて、それぞれがそれぞれの役割を持って進めていましたよ。

永岡  生天目君は英語の担当で、本城さんが実際にムービーに出ています。僕は技術的な部分を担当しました。

小林  生天目君はアメリカでの生活経験がありますし、永岡君は大人も驚く程のパソコンの達人で、Windowsはもちろん、MacもLinuxも使いこなすんですよ、彼は。

チバ  ムービーもあるんですか?

本城  はい。内容に沿って簡単な会話を収録したもので、英語講師のHeather Jilks先生にも出ていただいています。

木次  実際に自分たちでデジタルビデオで撮影して、パソコンでAdobe Premiereなどのビデオ編集ソフトで編集までやってしまうんです。

回るディスプレイに小学生も興味津々

チバ  タブレットPCを触ってみてどうでしたか?

永岡  この前、取材に来られていた時も小林先生のところに届いたタブレットPCを見て、わくわくしていたんです。実際にいろいろと触らせてもらったんですけど、ディスプレイが回転するのとか、うっわ、すっげえ、って思いました。

チバ  実際にタブレットPCでデモンストレーションしてみたんですね。

生天目  はい。小学校に協力していただいて、実際にできあがった作品を使って小学生に勉強してみてもらって、問題点などを探っていくんです。そこにタブレットPCを持っていったんですが、その時に生徒の前でぐるっと回してみたんですけど、おおっ、って感じで興味を持ってもらい、これ使える、って思いました。

永岡  小学校の先生もなんですかそれは、という感じで興味津々でしたよ。

チバ  なるほど。実際にプレゼンテーションモードにして、プレゼンしたわけですね。他になにか楽しい使い方を見つけましたか?

生天目  学校の帰りに制作のことでいろいろ相談した時に、ペンを使って、いろいろ描きながらやってみたんです。

永岡  タブレットモードにして、僕が書いたことを生天目君に渡してコメントを入れてもらったりと、やったりとったりしてみました。紙とは違ってデータとして残すことができるのがいいな、と思いました。

本城  デジタルビデオもつないでみたいですね。

木次  IEEE1394の端子がついてるから、すぐに使えますね。

チバ  そうですね、でも、ビデオ編集ソフトは別にインストールしなければなりませんね。

永岡  あ、もう、新しいWindowsムービーメーカーをダウンロードしちゃったので、こっちを使えばいいと思いますけど。

小林  なにそれ。もう、ついていけないよね。

チバ  Windowsムービーメーカー2ですね。先日、ダウンロードが始まったばかりなのにもう、使ってみたんですか。早い。いやぁ、参りました。

『はじめての英語』の制作メンバー。左から生天目君、本城さん、永岡君の3人

 こんな感じで、触っていた期間はほんの数日だったにも関わらず、どんどん触って使いこなしていく様子は、好奇心旺盛なこともあるが、仲間内でどんどん使い倒してみる、という様子から見ても、タブレットPCがすぐさま、コラボレーションとコミュニケーションに役立つことは証明されたと言えるだろう。

 さて、今回はほとんど出番のなかった小林先生だが、次回は、最後に無線LANのことも含め、タブレットPCを使ってみた総合的な感想と教育現場におけるタブレットPCの役割やその可能性についておうかがいする。

※最後に取材にご協力くださった『はじめての英語』制作チームのみなさんに心から御礼を申し上げます。なお、『はじめての英語』は、現在、2次審査を通過し、4月下旬の最終審査にむけて修正作業とプレゼンテーションビデオの制作を進めている、とのことです。

[チバヒデトシ, ITmedia ]

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