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» 2012年04月09日 11時40分 UPDATE

エネルギー管理:夏本番を前に節電対策のチャンス、BEMSで電気料金の値上げ分を吸収 (1/2)

企業向け電気料金の値上げが東京電力管内で4月1日から始まった。中小規模のスーパーや事業所で年間100万円以上の負担増になるという。おりしもBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の補助金制度が4月中に開始される。この制度を活用すれば、電気料金の値上げ分を吸収したうえで、ビルや店舗・工場の節電対策を一気に進めることができる。

[石田雅也,ITmedia]

 政府の呼び掛けにより、この夏に向けて企業や家庭の節電対策が広く求められている。ところが、節電のために新しい機器を導入するとなると、多額の初期コストがかかるため、省エネ機器やエネルギー管理システムの導入は期待されたほど進んでいない。一方で東京電力が企業向けの電気料金を平均17%も値上げしたことにより、コストの増加に頭を悩ませる経営者は多い。

 そのような状況を解消できる新しい補助金制度が4月中に始まる。経済産業省の政策の一環で実施される「エネルギー管理システム導入促進事業(BEMS導入事業)」である。この補助金制度は2012年4月から2014年3月までの2年間に、6万棟以上のビルにBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入することを目指して、合計300億円の国家予算を投入する。最新のBEMSを使って、電力使用量を10%以上削減することが目標だ。これが計画通りに進めば、本格的な節電対策を取り入れたビルが日本全国で急速に広がることになる。

小規模のビルや工場が補助金の対象

 BEMSに対する補助金制度は、規模の小さいビルや工場を主な対象にしている。より大きな規模のビルや工場の場合は、企業みずからの負担でBEMSを導入することが望まれている。具体的には、電力会社との間で「高圧小口」(契約電力50kW以上500kW未満)の利用契約を結んでいることなどが、補助金を受けるための基本条件である(図1、図2)。

ALT 図1 BEMSの補助金を受けるための基本条件
ALT 図2 電力会社と結ぶ契約は電圧によって4つの区分がある

 高圧小口の電力契約を結んでいる企業や事業所は全国で70万件以上あり、2年間の補助金で6万棟以上のビルにBEMSが導入されても、全体の1割に満たない。とはいえ6万棟のビルにBEMSが導入される波及効果は大きく、今後BEMSの利用コストが下がっていくことは確実で、導入企業が拡大するきっかけになることは間違いない。

サービスを提供する「BEMSアグリゲータ」

 BEMSの補助金を受けるためには、もう1つ重要な条件がある。「BEMSアグリゲータ」と呼ばれる、特定のエネルギー管理サービス提供会社と契約した場合に限られる(図3)。

ALT 図3 「BEMSアグリゲータ」によるエネルギー管理システムの主な構成要素

 先ごろ4月4日に、BEMSアグリゲータとして21社が認定された(図4)。ITシステムインテグレータや電気機器メーカーの大手各社が名を連ねるほか、電気設備の設計・施工の専門会社もBEMSアグリゲータとして新市場に参入してくる。各社の競争によって、BEMSの導入・利用コストはさらに安くなることが期待できる。

ALT 図4 経済産業省が認定した「BEMSアグリゲータ」21社と共同事業者
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