仏AI企業のMistral AIは5月7日(現地時間)、従来の大型モデルに匹敵する精度を維持しつつ、コストを8分の1に抑えたという新言語モデル「Mistral Medium 3」を発表した。
入力トークン100万個当たり40セント、出力トークン100万個当たり2ドルという低コストでありながら、社内ベンチマークテストにおいて、米Anthropicの「Claude Sonnet 3.7」のスコアを100とした場合に、Mistral Medium 3は90%超のスコアを獲得しているという。
特にプロフェッショナルユースの分野で最先端クラスの性能を発揮するように設計されているとし、コーディングとSTEMタスクにおいて際立った性能を発揮し、非常に大型ではるかに低速な競合製品に匹敵する性能を発揮するというベンチマーク結果を披露した。
また、GPUが4枚以上の環境であれば、主要なクラウドやオンプレミス環境に容易にデプロイ可能であり、ハイブリッド運用やVPC内展開に対応するため、企業システムへの組み込みを加速できると説明する。
APIは本日より「La Plateforme」や米AWSの「Amazon SageMaker」で利用可能。米IBMの「WatsonX」、米NVIDIAの「NIM」、米Microsoftの「Azure AI Foundry」、米Googleの「Vertex」への対応も近日予定だ。
Mistral AIはまた、このMistral Medium 3を搭載した企業向けAIアシスタントサービス「Le Chat Enterprise」を正式にリリースした。このサービスは、従来プランの個人向け・チーム向けLe Chat Pro/Teamを拡張し、エンタープライズ検索やノーコードでのカスタムAIエージェントの構築などの企業向け機能をワンストップで提供する。
Le Chat Enterpriseは現在、Google Cloud Marketplaceで利用可能で、Azure AIやAWS Bedrockへの展開も順次開始される予定だ。
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