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コラム
» 2004年07月26日 06時58分 公開

次世代プレイステーションはOpenGL系になる?(2/3 ページ)

[トライゼット西川善司,ITmedia]

 ポータブル版プレイステーションであるPSPへの準備としては、PSPが年末発売を予定している以上、このタイミングでは遅すぎる。

 2005年のE3にプレイステーション3のお披露目があることは、7月12日に開催された「Playstation Meeting」で既に明かとなっているが、このタイミングでSCEがKHRONOSに加盟し、プログラマブルシェーダに対応した新世代OpenGL/ES2.0が2005年夏に発表されるという、タイミングのバランスを考えるとPS3とOpenGL/ESとが無関係であるとは考えにくい。

KHRONOSグループ参加企業一覧。SCEは5月に突然の加盟を果たす。また、新たに、これまで独自路線を目指していたNVIDIAが参入してきたのも興味深い

 それではSCEがPS3でOpenGL/ES(2.0)を使うと「仮定した」として、それでどんなメリットが得られるのかを考えてみる。

 まず、ベースがOpenGLということで、多大なOpenGL資産が比較的容易に利用できることになる。これは新たなAPI仕様を開発者がゼロから学び直す必要がないということであり、開発期間短縮に貢献できる可能性がある。

 もう一つは移植性の高さ。もともとOpenGLがクロスプラットフォームを目的として開発されてきているために、半ば当然のことだといえる。PCやその他の複数のゲーム機向けに1タイトルを短いスパンでマルチプラットフォーム展開で提供していきたいと考えるゲームパブリッシャーの立場にとっても、これは歓迎されるべき要因となる。

 また、オープンスタンダードであるOpenGL/ESは、ロイヤリティが無料である。このこともSCE、ソフトウェアベンダーらにとって大きなメリットだ。SCEはKHRONOSのContributing Memberとなったことで、OpenGL/ESの規格策定に参加できるようになった。これは開発者たちの要望や最新技術動向を迅速にプラットフォームに反映できることへつながる。

OpenGL/ESはクロスプラットフォーム・コンセプトであり、ロイヤリティフリー。これも大きい

OpenMAXがCELLのパフォーマンスを最大限に引き出す鍵となる?

 KHRONOSグループは、8月のSIGGRAPH04で、「OpenMAX」という汎用DSP向けライブラリを発表する。

 これは物理学、幾何学、離散数学、非線形数学、信号解析などの各種数値計算メソッドの標準API/ライブラリに相当するもので、これもロイヤリティフリーでクロスプラットフォームでの利用を前提とし、しかもハードウェアアクセラレーションを視野に入れて開発が進められる。もともとはプログラマブルDSP向けのAPIとしてアイディアが立ち上がったようだが、適用範囲をGPUやCPUにまで広めていく方針のようだ。

 最初期のバージョンではFFT(高速フーリエ変換)、離散コサイン変換といった下層レベルの演算ライブラリがメインとなるようだが、将来的には人体キネマティックス(運動学)や4輪車両物理のような、3Dゲームやシミュレータなど使用される物理エンジンのひな形に相当するようなものまでを視野に入れているようだ。

 OpenMAXはそうした各種演算をターゲットハードウェアでアクセラレーションして実行できる仕組みを提供するため、例えばゲームにおいてならば、その物理エンジン部を業界標準APIを使うだけで透過的にハードウェアアクセラレーションできる形でソフトウェアの開発を進められるのだ。

 PS3のCPUとなるCELLプロセッサには多大な演算リソースを内包するが、どのようなソフトウェアを組めばどのような最大パフォーマンスが得られるかというのは、パッとイメージがしにくい。アーキテクチャーそのものが新しすぎるため、未知数そのものだといえる。

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