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コラム
» 2005年06月27日 12時33分 公開

小寺信良:HDMIで揺れるハイビジョンテレビの難題 (3/4)

[小寺信良,ITmedia]

 ネットであまりレビューが出てないとなれば、次にできることは限られてくる。実際に量販店に実機を見に行って決めるという、まったく一般の人と同じ条件でテレビを買うということになるわけだ。

 いくつかの量販店を回ってみたが、テレビの展示というのは、大抵は二重構造になっているようだ。まず壁に沿って、各メーカー混在でサイズ別に並べてある。それに囲まれた中央エリアに各メーカーの島があり、メーカーの営業担当仕切りの元で、自社製品のラインナップを集めたり、レコーダーと組み合わせたりといった展示になっている。

 まず、だいたいのサイズから徐々にしぼり込んでいき、その中で一番いいのをお客に選ばせたのち、各メーカーの島へ連れて行って「それでしたらもう1つ大きなサイズはいかがですか、同じ品質で値段は3万円しか違いませんよ」という流れに持っていこうという作戦なのだろうがそうはいかん、などと勝手に想像する。こういうのは、ちゃんと正規ルートで取材すれば教えてくれるのだろうが、ま、勝手に想像するのがまた楽しいわけである。

 こんな調子で各社の製品をいろいろ比べてみた結果、26インチクラスでは解像度の高さでシャープ「AQUOS」の「LC-26AD5」と、ビクター「液晶EXE」の「LT-26LC60」は甲乙付けがたい。ただビクターのほうは、他社製品にありがちな色温度の高い色味の傾向を嫌ってか、逆に若干暖色に振りすぎているきらいがある。設定で補正できることは確認したが、標準状態で、すでにナチュラルな表示のほうが使いやすいだろうということで、シャープの方を購入した。

photo シャープの「AQUOS」シリーズ。26V型のLC-26AD5は1366×768ピクセル(輝度450カンデラ/平方メートル)のハイビジョン対応パネルを搭載している。HDMIは45V型と26V型に装備

 ただ店頭でまったくわからなかったのは、音質だ。本来ならば1つずつ順番に音を出して聴いてみるべきなのだが、沢山展示してあるテレビのボリュームを全部絞って回るわけにはいかない。画質競争が一段落したら次は音質が問われるようになると思うのだが、こればかりはなかなか、店頭で実際の製品が訴求できるような体勢を作ることは難しいだろう。

HDMIはこのままでいいのか

 各社ともDVDレコーダーの利幅が減ってきた反動もあって、ハイビジョンテレビへの“力こぶ”はすごいものがある。しかし「HDMI付きで」となると、今は選択肢が少ない。筆者の場合は、一般の皆さんが夏のボーナスで買う製品を発売前にいち早くレビューしなければならないので、多少無理してもタイミングが悪い時期に購入しなければならなかったわけだが、おそらくこの夏に投入されるテレビは、かなりの率でHDMI対応になってくることだろう。

 HDMI付きテレビを買い直せばいい機能が使えます、というのは、まだブラウン管のテレビで見ている人には購入のきっかけになるかもしれない。しかし考えてみれば、すでにハイビジョン対応テレビを買ってしまった人に対しては、あまりにも乱暴な話である。

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