一方、ロシアは鉛筆を使った?読者から見たBiz.ID

旧ソ連の技術開発論を元に開発したという「智慧カード」の話題が注目を集めました。「一方、ロシアは鉛筆を使った」のジョークと何らかの関係があるのでしょうか──。

» 2007年09月14日 19時55分 公開
[鷹木創ITmedia]

 すっかり過ごしやすくなった9月第3週。先週はイベント続きでしたが、Biz.IDが注目するイベントは今週ひと休みです。さて、今回の「読者から見たBiz.ID」、取り上げるのは下記の3本──。

一方、ロシアは鉛筆を使った?

 9月13日に掲載して注目を集めた「智慧カード」。「TRIZ(トゥリーズ)」という旧ソ連で産まれた技術開発理論を元に開発したアイデア支援ツールで、ブックマークのコメントでも「欲しい」「これは欲しいかも」などのコメントが寄せられました。

 ソ連というどこかエキゾチックな単語が記事に含まれていたためか、「一方ソ連は智慧カードを使った」「『一方ロシアは鉛筆を〜』ってこういうことなのかも」といったコメントも。すでにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、この「一方、ロシアは〜」というフレーズ、インターネット上ではすでに有名なジョークなのです。

 ちょっと検索してみると、いくつものWebサイトがヒットします。検索結果の最上位にヒットしたブログ「うえぽんSW局」でもこのジョークを紹介していました。

 アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。

 これではボールペンを持って行っても役に立たない。

 NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。

 その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!

 一方ロシアは鉛筆を使った。


 おお、なるほど。TRIZで考案したブレークスルーの1つ「高価で耐久性のある物の代わりに、経済的で寿命の短い物を使う」を実践し、高価なボールペンではなく安価な鉛筆を使ったというわけですね。

 ただこの話には続きもあって、本誌で「日本全国ラボめぐり」連載している秋元裕樹さんのブログを見てみると、「NASAも最初は鉛筆だった」「NASAが巨額の開発費を投入した、というのはウソ」「無重力で書けるボールペンがあるのはホント」「ロシアが鉛筆を使ったかどうかは不明」というのが真相のようです。とはいえ、「この話は本当であってほしいな、本当だったら面白いな、という気持ちもあった」(秋元さん)という思いは筆者も全面的に賛同です。

 ちなみに実は日本の文具メーカーも、宇宙を旅したペンを開発しています。先ほどのうえぽんSW局によれば、ぺんてるの「サインペン」が1965年〜66年の有人飛行船ジェミニ6号と7号に“乗船”したとのことでした。このほかの文房具でも宇宙に旅立ったものがあるかもしれません。実は、普段使っているペンが宇宙に行っていた──なんてことが分かるとうれしいものです。興味のある方はご自分の文房具を調べてみるのもいいかもしれません。

コミケに持って行きたいもの

 「イスパック」と「フラットな粘着テープ」の両記事はスマッシュヒットになりました。

 イスパックは座れるリュックサック。ブックマークでは「コミケで使えそう」といったコメントや、ブログでも「R日記」で「アイディアはいいな。デラックスサイズなら同人誌も入るし」という声が寄せられました。

 フラットな粘着テープのブックマークコメントでは、「コミケのまんがレポートでガムテープの芯を抜いて、潰して持ってくというお役立ちネタがあったが、それが製品化」とありました。両方とも、はからずも「コミケ」ネタだったようです。

 ちなみに、フラットな「粘着テープの終わりはどうなってるんだろ」(ブックマークコメント)との“ご要望”もありました。実はこんな感じになってます──。

試供品をもらってきました
はがしていくと

最終的には芯はプラスティックだったことが分かりました

 ではまた来週!

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