「最も高性能なPCを買え」と言われたのも今は昔。PCに詳しい人でも、最高性能を選ばないようになってきた。ただしメモリだけは、いくらでも積んでおきたい。
2007年09月18日〜2007年09月24日
先週の記事アクセスランキングで3位に入ったのが、ベッコアメ創始者尾崎さんのインタビュー「スペックが劣る携帯を選び、アプリを入れないPCを使え」だ。
「いいスペックのものを持っていると、その世界でしかものが考えられなくなってしまう」というのは1つ、名言。「D903i」がスペックが劣る携帯かどうかはともかくとして。
逆にPCの世界では、これまでずっと「そのときで最も高性能なPCを買え」と言われてきた。ところが、この数年、これも変わってきたようだ。なぜ最も高いスペックのPCを選ぶかというと、1年後には全体的にマシンのスペックが上がり、OSやアプリケーションが要求するスペックも併せてアップしたから。高性能なPCを買っておけば、その分PCの(実働に堪えるという意味で)寿命が長くなったのだ。
Windows Vistaが重いOSかどうかはともかくとして、いまや最高のスペックのPCを買わずとも、3年程度は利用できるようになった。ビジネスで利用する限りではCPU負荷が100%になって、CPUパフォーマンスが足りない……なんてことはまずなくなったし、HDD容量もまぁ40Gバイトもあれば何とかなる。それどころかセキュリティの観点から、各所で“ローカルHDDにデータを保存するな”と大合唱が起こり、HDDなしのシンクライアントさえ市民権を得つつある。
にも関わらず、たいていの場合で足りないのはメモリだ。「PCが遅いときの7つの処方箋」でも書いたように、メモリが足りないPCは本当に遅くなる。逆にいえば、メモリさえ積めば、ほとんどのPCがけっこう速くなる。XPでさえも、ストレスなく動かすには少なくとも1.5Gバイトのメモリがほしい。それどころか、CPUのランクを1つ落としても、メモリを2Gバイトにしておいたほうが最終的にはよかったと思うはず。
その点で気をつけたいのは、最大搭載メモリ容量。さすがに標準で512MバイトというPCは、ノートPCでも少なくなったが、最大容量が1.5Gバイトという場合はまだ見かける。しかも、最大容量にするためには現在ささっているメモリを外して入れ替えなくてはいけない──なんて場合も多い。
PCがどうも遅いと思っている方は、改めてアプリケーションが使っているメモリ容量と、搭載しているメモリ容量を見比べよう。そしてメモリを足せるなら足すべきだ。そして次にPCを買うときは、“最大メモリ容量”が少なくとも3Gバイト程度あることを確認しよう。
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