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» 2007年11月29日 23時18分 公開

企業向けSaaSも「今年はマッシュアップ元年」?

単一のアプリケーションをSaaSとして活用するだけでなく、複数のSaaSをどう組み合わせるかが今後の課題。その際に重要なのが業務の流れに沿ってつなげていくこと。SaaS型メール「Zebra」を提供するフィードパスが、SaaSとマッシュアップについて話した。

[斎藤健二,ITmedia]

 「今年はマッシュアップ元年だ」──。

 11月29日に都内で開催された「SaaS World 2007」の講演で、SaaS型メール「Zebra」を提供するフィードパスの岩上由高プロダクトマネージャがこう話した。

 岩上氏が話す企業向けサービスのマッシュアップとは何か?

複数のSaaSサービスのつなぎ合わせが増加する

 グループウェア、営業支援、帳票作成、そしてメール──。企業が業務用のソフトウェアを内部に持つのではなく、“サービス”としてネットを通じて利用するASPやSaaSの導入が増えている。

 ところが複数のサービスは相互につながっていない。実際には、あるアプリケーションから別のアプリケーションに、ユーザーが手作業で情報をコピー&ペーストしているのが実情だ。

 「複数のアプリの画面を寄せ集めてもダメ。画面の切り替えがなくなるものではなく、アプリという区切りで考えるのではなく、業務の流れにそってサービスをつなげていくことが重要」だと岩上氏。これを“マッシュアップ”だと呼んだ。

 SaaSとASPの違いを敢えて言うとすれば、業務の流れに沿ってアプリケーションをつなげていくこと──つまりマッシュアップが重要だという。

コクヨのファイル転送サービス「@Tovas」や「サイボウズ Office for ASP」「SalesForce」などと連携できる機能が組み込まれているfeedpath Zebra
外部のSaaSだけでなく、社内システムとも連携できる。画面は、承認番号をメールで送ると、画面を変わることなく内容を変更できるほか、承認作業も行えるというデモ

 例えば顧客とのアポイント。まずメールで連絡を取り、予定が確定したらグループウェアに登録する。この時点で本来1つであるべきが、2つのアプリケーションにまたがってしまっている。その結果、ダブルブッキングしてしまったり、日付を間違えてしまったりといったミスが発生する。

 同社のZebraでは、SaaSのメールサービスを軸に、ほかのSaaSサービスを連携(マッシュアップ)させた。メールの文章を自動解析し、日付の部分をクリックするとスケジューラ(サイボウズ Office for ASP)の内容が現れ、さらにそこからスケジュールの登録も行える。住所があれば、Googleマップの地図がそこから表示できる──といった具合だ。

 「なぜメールなのか? メールはレガシーで気にしなくてもいいものと思われがちだが、業務のさまざまなパターンでメールは必ず登場している。やっかいもの扱いするのではなく、メールにスポットライトを当てられないか」という観点が重要だと岩上氏は話す。

 各アプリケーションをSaaSに移行するだけでなく、SaaS間を、業務の流れに沿ってつないでいくこと。それが今後の進化のポイントになりそうだ。

SaaSの今後の進化は?

 今後のSaaSはどんな方向に進化していくのか。

 1つ目として岩上氏が挙げたのは、シングルサインオンの進化だ。複数のSaaSサービスを、1つのIDとパスワードで利用できるようにするシングルサインオン。そこに、SaaSごとに異なる権限を一括して管理できる機能が重要になると見る。

 「シングルサインオンは当然だが、個々の社員、個々のサービスによって権限設定が異なる。1人登録する際に、いちいち登録するのは大変。ポリシーを決めて、各サービスに登録できるようにしなくてはならない」(岩上氏)。技術的にはSAML2.0へ期待している。

 2つ目は、各SaaSを横串で検索できる仕組み。APIを揃えて……など大ごとにはせず、もっと軽い仕組みで取り組めるといいと話した。

 3つ目は、SaaSを支えるインフラ部分。アプリケーションだけでなくデータも外部に保管するだけに、サーバ仮想化や地震などに対応するディザスタリカバリ(DR)、サービスレベル保証(SLA)などが、より重要になると見ている。


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