「絶対、僕たちよりすごい高校生がいるはずなんです。もっと前に出てきてほしい。『俺すげー!』で終わってほしくない」。草野さんは熱くそう訴える。自分ひとりでプログラミングをしていると「俺ってすごい!」で終わってしまう。でも作った作品をコンテストに出せば、いかに自分が井の中の蛙かを知ることができる。草野さん自身がそうだったという。「やっぱり悔しいですからね。勉強するしかないでしょ」
安野さんも倉世古さんも同じ意見を持っている。「もっと評価にさらされる機会をもつべきです。プログラミング同好会に入っていますが、同じ技術を持っていても、伸びる人とそうでない人はそこが違うと思います」。仲間内だけでしか発表しないとか、最後まで完成させない、といったことを繰り返していてはいけない、と倉世古さんは主張する。
叩かれるのは怖いし、自分の作品をさらすのは恥ずかしい。ただ、Webを使って自分をアピールし、評価に晒されればいい、と3人は考えている。「そのためにもみんなブログはやったほうがいい、絶対」
「この後は食事会、そして夜はホテルに帰ってライブコーディングです」。取材のあとの予定を聞くと、3人は目を輝かせてそう教えてくれた。せっかく東京に集まったのでネットでいつも見ている人たちにだめもとでメールしてみた。すると多くの人が歓迎してくれた。「じゃあ、他にも集めておくから」。人が人を呼び、食事会をすることになったという。「東京に来てよかった」。草野さんと倉世古さんはそう口をそろえる。
「モノづくりを続けていきたい。向上心さえあれば、今のIT業界は青天井ですから」と草野さん。「将来は子供向けにゲームを題材としたプログラミングの学校を作りたいです」。倉世古さんはそう考えている。「激しいところ、刺激的なところを、今はとにかく探していきたい」という安野さん。それぞれがまっすぐな目で、力強く夢を語ってくれた。
「あ、そういえば、あれ言わなくていいの?」。取材も終盤にさしかかるころ、草野さんが安野さんをつつく。「え? あ……あ、彼女募集中です!」。続けて草野さんは、涼しげな顔をした倉世古さんを指さして言った。「あ、こいつは”リア充”ですから。関係ないです」。なんとも(笑)、高校生だなぁ……。
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