最初は「やよいの青色申告08」から。まずは家事関係費の案分から行っていきたい。事例は車両費、水道光熱費(電気、ガス、水道)、通信費(携帯電話、固定電話、プロバイダー料金)、自動車税、家賃をそれぞれの比率で案分する場合だ。
[決算・申告]−[家事案分]をクリックする。勘定科目のプルダウンメニューから対象となる科目を選択すると、入力済みの1年間の金額が表示される。事業割合と家事割合をパーセントで入力する。水道光熱費のように補助科目が設定されている場合は補助科目も選択する。すべての科目の比率を入力したら、仕訳書出をクリックすれば完了だ。12月31日の日付で家事分が事業主貸として自動的に仕訳される。
次は固定資産の登録と減価償却だ。事例としては、2007年3月にノートPCを15万円で購入、8月にデジタル一眼レフカメラを15万円で購入したとする。
まず通常の経費入力と同様に[簡単取引入力]から[固定資産]−[パソコンを購入した]を選択し、日付と金額を入力する。デジタル一眼レフも同様に入力する。[決算・申告]−[固定資産管理]を選択し[新規作成]をクリックする。名称を記入し勘定科目から工具器具備品を選択し取得価格を記入する。償却方法のプルダウンメニューからまずは定額法を選択してみた。耐用年数を記入すれば、残りは自動的に計算してくれる。
3月購入なので旧定額法で計算され償却の基礎額は、
となっている。本年中の償却期間も3〜12月の10カ月なので12カ月中の10カ月と自動計算された。本年分の必要経費算入額は以下の計算によって求められる。
デジタル一眼レフは8月に購入したので、改正された定額法で計算され、償却の基礎額は全額の15万円となっている。
先ほど説明したように、2008年(平成20年)3月31日までに取得した30万円未満の資産は「少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例制度」により、購入した年に一気に経費算入できる。手順は償却方法のプルダウンメニューから即時償却を選択し、摘要欄に「措法28の2」と記入するだけだ。これで15万円全額が経費にできる。2つの資産とも即時償却に変更し、最後に仕訳書出をクリックすると、合計30万が償却される。
ここまでの入力が正しく行われていれば、決算書の作成はアッと言う間だ。[決算・申告]の[決算書設定]を開き、必要な項目を記入する。今回の事例では[費用の内訳]で地代家賃の内訳を記入するだけだ。[決算書作成]をクリックし住所氏名等を確認し、必要があれば記入し[印刷]をクリックすれば完了だ。
いよいよ確定申告書の作成だ。[決算・申告]の[所得税確定申告書B]をクリックする。[データ取込]をクリックすると収入と所得が取り込まれる。この段階で控除されているのは基礎控除だけだ。
確定申告書は第二表から記入を始める。作業を進めるために源泉徴収の証明となる支払調書、生命保険の明細、社会保険の領収書、医療費の領収書などを用意しよう。
まず所得の内訳(源泉徴収税額)の[内訳]をクリックし、源泉徴収の金額を記入する。引き続き医療費、社会保険、生命保険を記入する。妻子のいる人は配偶者(特別)控除・扶養控除の[内訳]をクリックし家族の情報を記入する。小規模企業共済等掛金控除もここで入力する。これで第一表に戻ると確定申告書ができあがっている。
事例では収入が840万円、所得が482万2020円、控除額が281万8600円で、課税所得は200万3000円となっている。所得税額の計算式は 課税所得×税率−控除額 なので、
となっている。
還付がある場合は、振込口座を記入する。この事例では所得税10万2800円に対し、源泉徴収ですでに84万円を納税しているので、73万7200円が還付される。還付されるのは喜ばしいことだが、住民税、事業税はまだ納めていない。しばらくすると案内が来るので、それまで散財しないように注意しよう。後は印刷すれば完成だ。一連の作業で特に問題になるところはないだろう。
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