連載
» 2008年09月01日 11時30分 公開

部下をやる気にさせて育てる指導術:数値目標だけでは部下は育たない 〜ビジネスの本質とは何か〜 (1/4)

前向きにビジネスに取り組む部下をどうやって育てるか――。「講師の講師」として、プロの講師にカリキュラム構築のアドバイスを行うとともに、ご自身も企業研修などのセミナーで講師を務める水野浩志さんが、「部下をやる気にさせて育てる指導術」を解説します。

[水野浩志,ITmedia]

 初めまして、水野浩志と申します。今回から「部下をやる気にさせて育てる指導術」をテーマに「前向きにビジネスに取り組む部下をどうやって育てるか」についてお話しします。

 私の仕事は、セミナーなど講師の方たちに向けて、教育カリキュラムの構築手法を指導する、いわば「講師の講師」です。また、自分自身も企業研修や自社開催のセミナーなどで講師も務めています。結果や成果を出す実践的なセミナーを目指しているため、参加者に具体的なアクションを前向きな気持ちで起こしてもらうために、いつも工夫しています。

 とはいえ、継続的にお付き合いできる訳ではなく、わずか1日か2日の研修ばかり。短期間に参加者全員をやる気にさせることは、本当に難しいことでありますが、その中で自分なりにいい結果が出るように工夫して、上手くいったこと、行かなかったことを元に、部下のやる気を引き出し育てるための具体的な方法論をお伝えしていきます。よろしくお付き合い下さい。

 ということで、第1回目は、先日見かけた大道芸人を見て思ったことをお話しましょう。

大道芸人から分かるビジネスの本質とは?

 実は私、大道芸というのが大好きでして。この間も、とある歩行者天国で、大道芸人さんが見事なパントマイムとジャグリングを見せていたので、立ち止まって見入ってしまいました。一切言葉を発することなく、しかし何が伝えたいのかはよく分かり、観客をハラハラさせたり、笑わせたりしながら、最後には見事なパフォーマンスで拍手喝采を受けていました。

 そのあとで、帽子を回しながらチップを受け取っていましたが、やっぱり面白いパフォーマンスだったおかげで、みんな笑顔で帽子の中にお金を投げ入れます。一番外側で観ていた私も、「ありがとう!」と言って、500円玉を投げ込みましたが、その時には、もう帽子の中にはコインが一杯入っていました。それを見て、大道芸人がパフォーマンスをしてチップをもらう行為は、ビジネスの本質――なんだろうな、と改めて感じ入ったのであります。

 私たちが普段取り組んでいるビジネス。このそもそもの意味って、なんでしょうか。ロングマン現代英英辞典で「business」を調べてみると、 1番目に「buying or selling goods or services」とありました。つまり「ものやサービスを売ったり買ったりすること」と定義しているようです。ただ、実際のビジネスの現場でやりとりしているものは、ものやサービスだけではありませんし、売り買い以外の取引(バーターなど)もありますから、私は

  • 「ビジネスとは、自分以外の人間と価値の交換をすること」

 と言い換えて定義しています。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ