iPhoneに魚眼レンズを装着して面白写真を撮る

前回は広角レンズをiPhoneに取り付けてみたが、今回試してみたのは魚眼レンズ。いくぶん取り扱いに注意が必要だが、うまく使うことで面白い写真が撮れるのだ。

» 2008年10月03日 14時00分 公開
[杉村啓,ITmedia]

 前回は広角レンズだったが、今回試してみたのは魚眼レンズ。魚眼レンズとは、まるで魚から見た視点のように水の中から水面上を見上げると映る景色のような写真が撮れるレンズだそうだ。筆者は、この記事を書くために魚眼レンズのことを調べるまで、魚の目が丸く風景を映す構造になっていると思い込んでいた。ちょっと恥ずかしい。

iPhoneにズームレンズとマクロレンズと付けてみた記事はこちら

 またまたeyeMobileのレンズ「KSW-3」(3300円)を使ったのだが、これまで試してきたiPhone向けのeyeMobile各種レンズとは異なり、この魚眼レンズだけは魚の絵が描かれたふたがついている。盛り上がっているレンズ部分を傷つけないようにしているのだ。

(左)魚の絵が描かれているふた。このふたはなくさないようにしたい。(右)横から見るとレンズが盛り上がっている。iPhone向け外付けレンズでは珍しい

 というわけで、ほかのレンズよりもいくぶん取り扱いに注意が必要だ。また、歪んだ写真をきれいに(!?)撮るためにはiPhoneのカメラと魚眼レンズの中心をなるべくきっちり合わす必要があるので、セッティングをやや慎重に行わなければならない。だが、そんな苦労を補ってあまりある面白写真を撮れるのが、この魚眼レンズなのだ。

風景を撮ってみる

西新宿で撮ったビルの写真。上を向いて撮ったのだが、背後のビルも写っている

 まずは定番の風景写真から。魚眼レンズは見ているものを球面として捉える。ということは、もともと曲がっているものよりもまっすぐになっているものを撮ると面白いものになる。というわけで、もはや定番になりつつあるが、ビルを撮ってみた。右の写真は新宿で撮ったものだが、ビルがたくさんあるところで上に向けて撮ってみるとこんな感じの写真が簡単に撮れる。

レンズに写った風景のうち、実際に撮影できる範囲の広さを画角というが、魚眼レンズはこの画角が広いので、思ったよりも遠くのビルや背後のビルなんかも一緒に写るのだ。

 せっかくだから、ビルだけじゃなく高速道路や高架なんかも入れてみる。この場合、高架は中心に置くのではなく中心より外側に置くと面白い。ビルなどが入った写真を撮る時には、やはりビル全体がきっちり写るように撮った方がぐにょーん感が出ていい感じだ。

 また、180度近い画角が得られるので、普通の道路でもちょっと面白い写真になる。その場合にも、なるべくならまっすぐに伸びた道を正面から撮るようにし、遠近法で言うところの消失点を真ん中に置くと、いい感じに周囲がゆがんで写ってくれる。まわりのビルがぐにょーんと中心に向かって曲がっているのが面白い。ちなみに消失点とは、例えばまっすぐな道路に立ったとすると、遠くになるほど道路は細く小さくなって、やがては1点に収束してしまう点のことだ。

(左)右上にかかっている高架がいいアクセントになっている。(右)通りを正面から写した写真。両脇のビルがぐにょーんと真ん中に寄っているのが面白い

室内写真を撮る

 魚眼レンズは画角が180度近い。ということで、室内で使っても面白い写真が撮ることができる。というよりも、まるで玄関のドアのレンズをのぞき込んだような写真が撮れるのだ。この場合、iPhoneを横にするよりも縦にした方が、何となくだがドアレンズをのぞいている感が出たりする。ひと目で部屋全体を把握できるような写真を撮りたい場合には、横画面にした方がいいだろう。

(左)まるでドアレンズから覗いているかのような気分にさせる写真。(中央)会議室の入り口の写真。入り口から全体を把握できるような写真が撮れてしまう。(右)画角が広いので、中心点を別なところにしても全体が写ったりする。この写真は左の写真を撮ったところよりもほんのちょっと後ろに下がり、別なところを中心にしたが、それでも左の写真と遜色ないぐらいの範囲を捉えている

 ちなみに、画角が広いということは指などが写りやすいということでもある。自分が思った以上に指が写り込んでしまうので、注意が必要だ。というか、上記中央の写真をよーく見ると分かるのだが、筆者の足というかサンダルが写ってしまっている。筆者にも注意が足りなかったようだ。

 また、普段見慣れているものでも魚眼レンズを近づけて撮ると、独特の迫力が出てきたりする。こういった写真も魚眼レンズならではと言えるだろう。

見慣れているロゴもこんな風に

人物写真を撮る

 さて、魚眼レンズを使った写真と言えば、やはり一番面白いのは人や動物を撮った写真だ。普段とは全く違う表情というよりも、全く違う顔の写真を簡単に撮ることができる。中心が近づき、周囲が遠のくわけだから、もう全くの別な顔に写ってしまうのだ。

 というわけで編集部内のT記者に協力をあおぎ、魚眼レンズで顔のアップを撮ってみた。いかがだろうか。


 こういう写真を撮る時のコツは、できるだけレンズを被写体に近づけることだ。先ほどの写真がどれぐらい近づいた距離から撮った写真かというと、右の写真を参照して欲しい。もっともっと大胆に近寄れば近寄るほど、中央が盛り上がったいわゆる「鼻でか」写真を撮ることができる。

 ちなみに、近寄るのとは逆に遠ざけて撮るのもそれはそれで面白い写真になる。ちょっと縮尺が変な感じになるのだ。もとのスケールを知っているものが対象だと、こういう写真も面白い。


 というわけで、魚眼レンズは室外でも室内でも人物相手でもお手軽に面白い写真が撮れる素晴らしいレンズだ。実際、筆者が先日参加したPhotoShare NightというPhotoShareのオフ会にこの魚眼レンズを持って行ったところ、たくさんの人に貸してくれと言われてしまったほどだ。もちろんお酒の勢いもあったが、みんな思い思いに面白写真を撮りまくっていたし、非常に好評だった。筆者もなんだかんだでこの魚眼レンズの使用頻度が一番高かったりする。もちろん普通の携帯にも装着できるので、iPhoneユーザー以外の方でも是非使ってみてほしい。

 次回はさらなる面白写真を追求すべく、フィルター系のレンズを紹介したい。

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