7月11日の発売日以来、「iPhone 3G」を(充電時以外は)かたときも離さないくらいハマってる荻窪圭である。何しろ便利な上におもしろくて楽しい。そのほかの機能については短期集中連載の方を参照していただくとして、ここでは、iPhone 3Gのカメラ機能“だけ”に絞ってじっくり検証していくことにする。
世間ではiPhone 3Gのカメラ機能はおまけだとか、しょぼいという評価がある。確かにスペックは「普及型ケータイ」なみ。機能を考えるとそれ以下かも。でもケータイカメラとしては、機能がしっかりしていても操作が複雑で反応も遅いなどで気軽に使えないようでは意味がないし、撮った後も楽しく使えないとつまらない。そう考えると、iPhoneのカメラ機能もなかなかいけるところもある。
iPhone 3Gのカメラは200万画素のCMOSセンサーで、固定フォーカス。固定フォーカスの携帯カメラによくあるマクロスイッチは……なし。フォトライト(撮影補助用ライト)やフラッシュも……なし。
実はこのカメラ、シャッターを押す以外にできることは「何もない」。縦位置か横位置かを自動判別するくらいで、笑っちゃうほど何もない。
もう少し具体的に仕様をチェックしよう。
撮影画像サイズは2Mサイズ(1600×1200ピクセル)のみ。壁紙サイズとかVGAサイズなど、携帯カメラによくあるサイズ設定の項目は一切なし。画質設定もない。
露出補正(明るさ補正)もない。シーンモードもない。ホワイトバランスはオートのみ。手ブレ補正がなければ顔認識機能もないし、モノクロ撮影モードもない。連写もなければ動画撮影機能もないし、セルフタイマーもない。あはは、ないないづくしだ。
これは、カメラを軽視したのではなく「わざとつけなかった」と考える。ここまで潔く割り切る方が(製品戦略的に)ずっと難しいはずだ。カメラに限らず「機能はたくさんあるが、1つ1つの機能を潔くシンプルに」がiPhone 3Gの特徴でもある。
おかげで操作は超簡単。操作は被写体をファインダー内に入れて、カメラアイコンをタップするだけ。タップしてから実際に撮影されるまでのタイムラグが少々ある。画面上で「絞りが閉じてまた開く」アニメーションが完了するまで(3〜4秒ほど)待つべし。アニメーションがあるおかげで、待たされる気がしないのはよい演出だ。自動的に保存してくれるので、アニメーションが終わったらすぐ次を撮影できる。保存のために無駄に待たされることはない。
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