“マインドマップ”で真の目標を探るのだシゴトハッカーズ(4/4 ページ)

» 2009年01月08日 17時00分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]
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いろんなときの「私」がいつも望むことを見つける

 対談でもチラチラと出てきていることですが、「一年を通して目標を貫くこと」は容易ではありません。なぜ容易でないかといえば、日々、望みは微妙に変化するからです。その微妙な変化が、長い月日には大きな変化に至ってしまいます。つまり、年初に強く望んだことと同じ望みを、2月になっても抱き続けているかどうかは、そもそも怪しいものなのです。

 欲求というものは、環境が変わればそれにともなって変化してしまいます。経済心理学に「選好逆転」という用語があります。帰宅途中、電車を降りたところでは家に帰って温かいコーヒーをいれて飲むつもりでいた人が、コンビニに入ると缶コーヒーを買って帰りたくなるという話です。

 そこでまず、年頭の目標をいかにして貫き通すかではなく、年頭にそもそも何を望むべきかを熟考するべきでしょう。できれば、2月になっても3月になっても、途中に少々トラブルがあっても、望み続けられるような目標を持ちたいところです。

 そのためにこそ、一定の期間を確保して、「繰り返し望むこと」を自分の中から抽出する必要があるのです。一週間にわずか一日だけ望むようなことを一年の目標にするのは挫折するリスクが高いのです。できれば1カ月にわたって望み続けるような、「日々の望み」を探り当てることが理想的でしょう。

 そうして見つけ出せた「自分の望み」であれば、少々のことでは見失わないはずですし、脱線してもすぐに軌道修正ができるでしょう。何日も何日も自分が望み続けるということは、環境が変わっても、気持ちが変わっても、変わらず望み続けるはずだからです。

 ただ、そういうフィルターをかけてしまうと、「望み続けること」など見つからないという人もいるかもしれません。そういう人は反対に、「毎日いやだと思うこと」を探してみましょう。

 自分が何をやりたいのかはよく分からなくても、何がやりたくないかはよく分かっているという人は多いものです。毎日、やりたくないと思い続けることならば、一年を通して嫌悪感を抱き続けられると思います。その嫌悪感の原因を取り除くということを、一年かけて達成してみましょう。

 これは達成しがいのある目標のはずです。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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