ファイルがデスクトップに散らばっていて困るのだシゴトハッカーズ(3/3 ページ)

» 2009年02月05日 07時00分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]
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「目に見えるところに置く」という発想をやめる

 対談者二人と編集者を含め、3者3様と言っていいくらい、ファイルのダウンロード1つとっても人によってやり方が違います。もともと、仕事のやり方というのはそういうものだと言うこともできます。

 ただ、話をファイルのダウンロードに絞るなら、これを難しくしている原因の1つは、心理的なものです。

 というのも、デフォルトでそう設定されているということもありますが、ファイルのダウンロード先は、あまり深く考えずデスクトップにしておきたくなるからです。なぜなら、デスクトップに置いておけば「目に見えるところに置く」ことができるからです。

 これは、「やらなければいけないこと」を忘れるのが怖いため、付せんに書いたタスクを机やPCのディスプレイにぺたぺた貼っておきたくなる心理と同じです。私たちは自分の記憶力の性質と限界をよく承知しているのです。目に見えなくなると、存在を忘れてしまい、致命的な時期が来るまで思い出せなくなる、という不安があるのです。

 しかし、デスクトップに無造作にダウンロードファイルを保存していくと、2つの典型的なトラブルに見舞われやすくなります。

  1. デスクトップが雑然としてしまって、ほかのファイルの中に紛れて、結局処理すべきファイルの存在を忘れてしまう
  2. デスクトップ上のファイルは、「マイドキュメント」とは別に管理しなければならないため、ファイル管理上の混乱を招き、仕事をやりかけたファイルの存在を忘れ、1から作り直してしまったりする

 この2つの問題を避けるには、次の2つのうちどちらかの戦略が必要になるはずです。

  1. 「目に見えるから処理する」という処理方針を捨てて、ダウンロードファイル処理の仕組みを、自分のタスク処理システムに組み入れる
  2. デスクトップをタスク処理の場所にする。その場合、デスクトップ上のファイルがゼロになることを毎日目指すというように、デスクトップ上のすべてのファイルを手当てする習慣を身につける

 いずれの場合もポイントとなるのは、ただ単に「ファイルが目に見えている」からといって、それは安心できる状態ではない、ということです。たくさんのファイルが目に見えていれば、どれが大事なのか、むしろ分からなくなるのです。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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