5万円、払ってもいいなら……救急車を呼ぶ? 呼ばない?現役医師がズバリ回答(1/2 ページ)

「緊急性があるときだけ」は呼んでもいいと言われると、なかなか気軽に呼べない救急車。緊急性があるときってどうやって判断したらいいのでしょうか。

» 2009年05月15日 09時30分 公開
[仁科桜子(企画:ソフトバンククリエイティブ),Business Media 誠]

質問

 軽い症状にもかかわらず救急車を呼ぶのは/病院に来るのは迷惑、という病院側の言い分をしばしば耳にする。病気に関して素人の患者当人または家族などが、救急車を呼んだり病院に行くレベルかどうか、判断できる具体的な方法を教えてください。


 少しずつ日が長くなってきましたね。ちょっと前なら、夕方5時くらいになるともう辺りが暗くなってきていたのに、最近では6時近くなってもまだ明るかったりして。昼間の時間が増えたようで、精力的に動ける時間も増えるし(夜行性の人は別だけど)、洗濯物もよく乾くし部屋の電気も付けなくて済むし、エコだよなあーなんて、私としては何だか得した気分。

 と、こんなことを何気なく口走ったところ、「少しでも早く暗くなったほうがうれしいのに」と女友達。聞けば、周囲が暗いほど化粧のボロを隠せるし、一段と男性との距離が近づくとのこと。それだけ狩り(もちろん男を)に使える時間が増えるということらしい。なるほど、そんな考え方もあったのね。「洗濯物がよく乾く」なんて、超庶民のオバサン的意見を述べた自分がちょっと恥ずかしい。

 ちなみに彼女はモデル上がりの超美人。聞くところによるとモデル業界では今や整形なんて当たり前。「ちょっとお直ししてきまーす」って、簡単に整形しちゃうらしい。もちろん、メスを入れるとは限らず、今は注射なんかでも美しくなるんだもんね。ヒアルロン酸だのボトックスだの……そっちの業界に疎い私ですら聞いたことあるもんな。

 まあ、その彼女が「お直し」をしたのかはさすがに聞けないが、たとえ化粧がドロドロに剥げ落ちたとしても、化粧したての私なんかよりよほど美しい。いや、比べるのもおこがましいくらい、同じ生物とは思えないレベル。そんな超美人ですら化粧のボロのことなんて気にするんだなあ、とちょっと意外。美人には美人の悩みがあるのね。そして美容外科の友人いわく、最近はこんなふうにどこも直す必要のなさそうな美人ちゃんたちも、さらなる美を求めて美容外科に押し寄せるらしいから、いやはや時代は変わったものです。美人はさらに美しくなり、美を諦めた私はさらに下る一方。

 それにしても、狩りに使える時間が増えるなんて……。どんな獲物が引っかかるのか、興味深々。美にはあまり興味ないけど、男には興味あるもんね。しかし、物事の捉え方ってのは、本当に人それぞれだなあと痛感いたしました。

「緊急性があるときだけ」ってどうやって判断する?

 さて、前回に引き続き、今回も救急車に関連したご質問です。最近こういう疑問が多く聞かれるということは、それだけ救急医療に対する関心や不安が浸透しているんだと思います。前回の内容とも重なりますが、やっぱりマスコミの報道なんかの影響も大きいんでしょうね。

 ここでのご質問は、「救急車を呼ぶ」という事における適切な基準が分からない、ということですよね。恥ずかしながら、医者である私ですら、この質問に対しての明確な答えというのは自信がありませんでした。

 「緊急性があるときだけ」と答えたとしても、じゃあどういう時には緊急性があって、どういう時にはないのかというのを、個別に正しく判断するのはなかなか難しいものです。診察してみて「これは救急車じゃなくても良かったなあ」ということはありますが、それはあくまでも結果論でしょう。事前に判断するのは難しい症例もあります。ですから、「どういう時に救急車を呼ぶべきか」を端的に答えるのは難しいわけです。

 というわけで、東京消防庁のWebページを見てみたところ、「救急車は、けがや急病などで緊急に病院に搬送しなければならない傷病者のためのものです」とのこと。「そうよね、そうよね」という内容を読み進めていったところ、「傷病者の様子や事故の状況などから、急いで病院へ連れて行ったほうがよいと思ったときには、迷わず119番通報をしてください」と書いてありました。うーん、きっと皆さんはそんなことは十分承知の上で、「だから、この状況が急いで連れていったほうが良い状況なのかどうかが分からないんじゃないの!」ということでしょう。

 前回のコラムで、「救急相談センター」なるものをご紹介したと思います。「#7119」に電話すると、「救急車を呼んだほうが良いのかどうか」についても相談に乗ってくれるのです。では具体的に、個々の症例に対してどのように緊急性を判断すればよいのでしょうか。

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