「人生のステージが変わるごとに、人間関係も常にリセットしてきました」という堀江貴文さん。そんな彼が、人生の節目節目であってきた人物を語ります。
この連載は書籍『まな板の上の鯉、正論を吐く』から抜粋、再編集したものです。最高裁の判決を待つ身ながらも活発に発言を続ける彼の頭の中に去来する思い。「クビにしないように採るのも企業の責任」「僕の経験上、返済できる金利の上限は5%」「今の日本は国家が借金したお金でGDPを支えている」「核武装して周囲に摩擦を生むくらいなら今のままで十分」――。その一部をご紹介します。堀江流思考のストレッチをお楽しみください。
英「タイムズ」紙の編集長が僕にインタビューに来た時に、「うちのボスと会ってみないか」といわれ、その後、たまたまニューヨークに行く用事があった時にお会いして、ネットメディアの未来について意見交換をしました。
その時は「MySpace」や「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」について話し合いました。彼はネット業界についての博識さはいうに及ばず、何より決断が早い。単純に、「この人は頭がいいな」と感心させられました。
それにしても、当時の僕に会おうと思うアンテナは大したものです。マードックが企業家の理想像というわけではないですが、テレビ局や新聞社を核にして巨大なメディアコングロマリットを形成するというやり方は、企業の戦略として優れています。
86年に彼が創設した米「FOXテレビ」は、保守系右派の思想を貫いており、グループの理念がブレていないのも、評価に値すると思います。
村上さんとの出会いは、偶然でした。
当時の僕の秘書と、村上さんの秘書が友人だった縁で、セッティングされたんです。彼は頭が良く、会ってみても好印象でした。常にゲームを考えているという、なかなか珍しい人です。
村上さんは食事会を開くのが好きな人で、自宅に経済人などを呼んでパーティをする。たまに呼ばれて参加したのですが、そうすると思わぬ人に出会うこともありました。例えば、彼のスポンサーだったオリックスの宮内義彦さんやローソンの新浪剛史さん、それにユニクロの元社長・玉塚元一さん。新浪さんはかなり体育会系で、僕とは人種が違う感じがしましたが、玉塚さんはフレンドリーなナイスガイでした。
こうした出会いが仕事に発展することはほとんどありませんでしたが、考えてみると、受け身とはいえ、各界一通りの著名人と会わせてもらいました。
村上さんの特徴は、絶対に自分が負けるゲームをしないこと。飲み会の席での遊びですら、一見フェアに見せながらも、自分に有利なルールを設定するんです。そこまで勝ちにこだわらなくても……と思う部分もありますが、そういう人なので仕方がありません。
1972年、福岡県生まれ。1991年、東京大学教養学部文科三類入学。1996年、東京大学在学中に資本金600万円で「有限会社オン・ザ・エッヂ」を設立。2002年、経営破綻した旧ライブドアから営業権を取得し、2004年、「株式会社ライブドア」に社名変更。同年6月、経営難に陥っていた大阪近鉄バファローズ(現・オリックスバファローズ)の買収を申し出たことにより、ライブドアとホリエモンの名前は一躍全国区に。2005年2月、ライブドアがニッポン放送の株主となり、フジテレビとの間でニッポン放送の経営権争奪戦が起こるが、4月には両者で和解。フジテレビはライブドアから1400億円でニッポン放送株を買い取った。2005年8月、広島六区から衆議院選挙に出馬し、亀井静香と一騎打ちになるも落選。2006年1月、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕・起訴される。2007年3月、東京地裁で2年6カ月の実刑判決を受け、即日控訴。2008年7月、東京高裁は控訴を棄却。即日上告し、現在最高裁判決を待つ。現在、ロケット開発を手がけるSNS株式会社のファウンダー。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.