10月28日に生放送した「my Workstyle on Real Time Web powered by Lotus」の第5回。ゲストにジャーナリストの池上彰さんを迎えて、大盛況のうちに終了しました。中編では、池上さんのジャーナリズムに対する考え方やスタンス、質問力の磨き方にまで話が及びました。
10月28日に生放送した「my Workstyle on Real Time Web powered by Lotus」の第5回。ゲストにジャーナリストの池上彰さんを迎えて、同時視聴数は1700人にも及びました。今回、全放送内容をテキスト化。3回に渡りお届けする予定です。中編では、池上さんのジャーナリズムに対する考え方やスタンス、質問力の磨き方などのテーマをたっぷりと伝えます。全文公開! Ustream初出演、池上彰さんの仕事術(前編)もあわせてご覧下さい。
津田大介(以下、津田) 池上さんは携帯電話をどのように活用していますか?
池上彰(以下、池上) 電話を受信することとメールでのやり取りぐらいです。
津田 普通のフィーチャーフォンやガラパゴスケータイと呼ばれる端末ですか?
池上 はい。スマートフォンではありません。
津田 スマートフォンに対する興味は?
池上 興味はあるんですけど、とりあえず今の携帯電話を買い替えに行く時間がなくて。
津田 アルバイトや雑務をやってくれる人もいないのですか?
池上 いないのですよ。
津田 本当に1人なんですね、すごいです。携帯電話はどこのキャリアはauをお使いですか? NHKではないので(固有名詞を言っても)大丈夫です(笑)
池上 最初はauだったんですね。なぜかというと、中国、香港、オーストラリア、アメリカなど、海外でそのまま使えたからです。ほかのキャリア(の選択肢)がなかったので、これだと思いました。
津田 グローバルパスポートというサービスですね。そのころから海外に行く仕事が多かったと。
池上 その後、auはそこから先に広がっていきませんでした。ところがボーダフォンは世界中で使える国や地域が多かったのですよ。特にアフリカや中東に行くと、圧倒的にボーダフォンなんですね。今はソフトバンクになりましたけど、ああ、これがいいのかなと思ったのですが、ソフトバンクの場合はお客様がうんと増えているのに対してネットワークがなかなか追いつかないというね。あ、非常に配慮した言い方をしていますよ(会場笑い)。
津田 地方に行くとつながりにくいという話ですね。
池上 私はそんなこといってませんよ(笑)。
津田 僕なりに池上さんの言葉を解釈すると、電波がつながらないんだよと言うお話ですね(笑)。
池上 お客様が増えているのに、対応しきれていないというだけのことですけどね。
池上 NTTドコモはボーダフォンに比べて、海外で使える地域が7〜8カ国少ないですが、国内ではつながりやすいなと。そこでナンバーポータビリティが始まりました。今は(キャリアを)変えて、ドコモを使っています。
津田 何年くらい使っていますか?
池上 どれくらいですかねえ。その時にauのところにいって「ごめんなさい。何の不満もないのですよ。だけど海外で使いにくいんですよ」と言って変えました(笑)。
津田 優しい! auの人もさびしい顔をしていたんじゃないですか?
池上 「そうなんですよねえ」と言っていました(笑)。
津田 今日は光栄で、この放送をUstreamでやっています。Ustreamは今ソフトバンクの傘下で、スマートフォンに興味があるという池上さんがおっしゃったのを1000人以上が見ているわけですから。これを@masasonさん、つまり孫正義さんが見ていて、池上さんにiPhoneをどうぞという流れがあるかもかもしれませんよ。
池上 まるで商品を要求しているようですね(笑)。
津田 いえいえ、買いに行く手間がないというだけのことですから。
池上 そういうことは自分で金を払って買いますから大丈夫ですよ。そうじゃないと批判できなくなっちゃいますから(笑)。
津田 それがジャーナリズムの基本ですね。是非スマートフォンを買っていただいて、Twitterを使ってほしいなあと思っています。そうすれば(選挙特番で共演した)麻木(久仁子)さんともいろいろお話ができますよ(笑)。あ、少し言葉がおかしかったですね。
津田 普段、メールで日常的なコミュニケーションをとったりする人はいますか?
池上 基本的にはないんですけど、時々こどもニュースに出ていた子ども達から、突然近況報告のメールが来るんです。数日前に「お父さん」というメールが来てました。4代にわたって家族を作っていたのですが、その時の女の子から「教員採用試験に受かりました」という連絡が来たんです。
津田 それは良い先生になりそうですね。
池上 ねえ。「え、おまえ小学生じゃなくて小学校の先生になるのか」いうメールをつっこみで送りましたけどね。
津田 普段飲みにいったりするんですか?
池上 私はお酒が飲めないんですよ。「池上さんどうやって本を書く時間があるんですか」と聞かれるのですが、酒が飲めないのですというとみんな納得してくれるんですね。
津田 酒が飲めなくても、食事に行ったりもしますよね。
池上 よく行きますよ。よく食事に行っている編集者もこの会場に来ていらっしゃいますけど。朝までということはありません。これから原稿を書かないといけませんといって、一次会止まりですね。
津田 それが池上さんと僕との最大の違いなんだなあと思って。
池上 二次会、三次会まで行けば、また別の人生があったんでしょうねえ(笑)。
津田 (モニターを見て)すごいですね。早速、リプライがありますよ。池上さんが孫さんにTwitterにスマートフォンに興味がありますよといったね。
池上 カメラの人たちとのやり取りをそのまま出してしまう。面白いですね。
津田 テレビじゃありえませんよね。
池上 いえいえ、生放送だとあえてやることもありますよ。
津田 Ustreamやニコニコ生放送を見ていると面白いんですよね。生でいろんな反応があったり、コメントに対して反応するパーソナリティを見ていると、これってまた新しい番組の形だなと思ったんですけど。テレビを見ていても、もっと生放送が増えればいいのにと思うんですけどね。
池上 分かります。ほら、これってあれですよ。テレビに向かってしゃべる人やつっこみを入れる人がいるでしょう。そんな感じですよね。
津田 それが可視化されて、出演者もリアルタイムに見ることができるという点が新しいと思って。
池上 テッシーとも仲がいいという質問も来ていましたね。誰かお分かりですか? 手島(龍一氏)といいまして、NHKのワシントン支局の人なんですよ。
津田 ああ、手島さん。分かります。
池上 最近テッシーと一緒に本を出しましてね。仲が良いというか、微妙な距離感覚がいいですよという話ですね(笑)。
津田 地デジが出てきたときに、データ放送でテレビの双方向性が1つの大きなメリットとして宣伝されました。やっぱりこういうのを見ると早くて、地デジのボタンよりもインタラクティビティーがあって。Ustreamはリアルタイムにアンケートもできるんですよ。
池上さんが番組を見ている視聴者の人に「この前の選挙行きましたか」と質問をすれば、スタッフがリアルタイムアンケートをとって、それを集計してくれるんですよ。
池上 今アンケートをしてほしいと(いうツイートが)ぞぞぞっと来ましたよ。
津田 選挙特番みたいものと組み合わせてやると面白いですし。今はアンケートは……できる感じではないみたいですね。
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