どのツールもしっくりこない人へ「Todo.txt」によるタスクマネジメントのススメ3分LifeHacking

生産性向上に必須のタスクマネジメント。多種多様なツールが存在していますが、使ってみると意外と不便だったりしませんか? そんな人にはプレーンテキストベースの「Todo.txt」がオススメです!

» 2011年02月02日 19時40分 公開
[Kevin Purdy(訳:松岡由希子) ,ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 タスクマネジメントは、生産性向上のための基本。これを便利にしてくれる、多種多様なアプリやツールがリリースされていますが、実際に使ってみると、意外と操作に手間がかかったり、ツールのメンテナンスに時間をかけすぎてしまったりと、本来の目的である生産性向上につながらない面も……?

 米Lifehacker編集部のKevin Purdyさんは、タスクマネジメントツールの定番「Remember the Milk」から、プレーンテキストベースのタスクマネジメントツール「Todo.txt」に切り替えたところ、生産性向上に役立てやすくなったそうです。Kevinさんは「Todo.txt」の有用性について、次のように綴っています。

なぜ、一般的なタスクマネジメントツールがうまく機能しなかったのか?

Remember the Milk

 Kevinは、長年「Remember the Milk」がパーフェクトなタスクマネジメントシステムだと思っていたそうです。Remember the Milkなら、ブラウザでも、スマートフォンでも使えるし、オフラインモードでもOK。複数のリストが作成でき、タスクも共有できます。

 では、なぜこのシステムがKevinには機能しなかったのでしょうか? タスクリストがアプリになっていると、スマートフォンやPCのデスクトップ上でほかのアプリと混在してしまうので、これを開いておかなければいけません。しかし、タスクマネジメントアプリを開くと、このツールをさらに使いやすく改善しようとしてしまい、あれこれ設定画面をいじりはじめ、そこに時間を浪費してしまうことがあります。

 確かに「Remember the Milk」など、いくつかのアプリには通知機能があるので、これらのアプリは、必ずしも開いておく必要があるわけではありません。事前に設定しておけば、タスクの期限が来る前に知らせてくれます。ただ、各タスクの通知を設定するとき、そのタスクにどれくらいの時間がかかるかを予測せねばならず、これにも多少の時間を費やしてしまいます。

 その点、プレーンテキストベースのツールは、Kevinに向いていたそうです。最初は「Simplenote」(英文記事)がいいかと思ったようですが、KevinはAppleデバイスを持っておらず、Androidユーザーのため、いまひとつ……。そこで、使いはじめたのが「Todo.txt」だったそうです。

なぜ、Todo.txtなのか?

 Todo.txtは、米Lifehackerの母であるGina Trapaniが、片手間のプロジェクトとして、スタートさせたものです。Ginaは「.txt」ベースの整理整頓が有効な理由や具体的な方法について、米Lifehacker初期の記事「Geek to Live:List your life in .txt(テキスト形式でやらなきゃいけないことをリストしよう、英文)」で紹介。その後、米Lifehacker読者がTodo.txtマネジャーを開発するなど「.txt派」の人々が参加して、今日のコマンドラインベースのインタフェースに至りました。最近では、Android向けアプリとしてもリリースしています。いずれも単一のテキストファイルと連携し、バックアップも簡単。いつでも使えるツールとなっています。Todo.txtの様子は、以下のデモ動画で、ご確認ください。



 Todo.txtの活用法は以下です。

1:シンプルな設定

 「Todo.txt」という名前でテキストファイルを作成し、安全なところに保存しましょう。Dropboxの中に「todo」というフォルダを作って、そこに保存するとベストです。Androidアプリを利用する場合は、Dropboxに「todo」が生成できます。設定はこれで完了です。

 Ginaは、コンテクスト(ラベル/分類)のためのタグや、プロジェクト名を使うことを勧めていますが、もちろん使い方はこれに限りません。ファイルを開いて、必要なタスクを追加し、完了したタスクは消し、ファイルの編集が終わったら保存する、といったシンプルな使い方もOKです。また、Quicksilverのテキスト追加(英文記事)や、Unixのテキストコマンドを使って、ソートや検索、テキストファイルの追加もできます。

2:どこでも使える

 Androidユーザーなら「Todo.txt Touch」を使って、指先でタスクリストを閲覧したり、操作できます。iPhone/iPadユーザーは「Droptext」「PlainText」「Nebulous Notes」を使えば、Dropboxからファイルの編集や保存が可能です。

 Dropboxをインストールしていれば、テキスト編集アプリを使ってテキストファイルを操作できます。さらに便利に使うワザとしては、WindowsのタスクバーやMac OS X/Linuxのドックにファイルを貼り付けるのもアリ。ワンクリック、もしくはキーボードショートカットでサクっとファイルを開けます。

 Windows 7なら、無料ユーティリティ「Taskbar Items Pinner」を使う方法のほか、タスクスケジューラで設定したりショートカットを利用するという手もあります(全て英文記事)。Macなら、ドックの右側、フォルダショートカットの横に、Todo.txtをドラッグ、もしくは[Cmd]+[スペースキー]で開くというシンプルな方法で、実現できます。

 若干制限があるのが、ネットカフェなどのパブリックなコンピュータとオフラインモードのAndroid。こうしたコンピュータの場合、DropboxのWebサイトからタスクリストを閲覧可能です。また、AndroidがオフラインだとTodo.txt Touchは動かないので、その場合は、Dropboxアプリからファイルを操作し、このアプリの中で編集しましょう。ファイルを編集後に保存すれば、オンラインになった時点ですぐにDropboxがファイルを同期してくれます。ホームスクリーンに、Dropboxの「todo」フォルダへのショートカットを作っておくと、さらに便利です

3:なんといっても速い

 Remember the MilkやSimplenoteでは、アプリの読み込みや同期、接続チェックで待たされ、その間にふと別のことが気になって、本来仕事に充てるはずの時間をロスしてしまう面がありました。例えば「自分のツイートに誰か返信してくれたかも」と思ってツイッターに移動してしまう……といった具合です。その点、Todo.txtは、Androidであれ、iOSデバイスであれ、瞬時に使えます。もちろん、コンピュータ上のテキストファイルもすぐに開けます。コマンドラインのインタフェースで、操作も楽チンです。

4:Dropboxによるバックアップ

 Dropboxは、保存したいファイルをすぐに保存してくれ、Webはもちろん、どのコンピュータ、スマートフォンからでも使えます。Dropboxを使えば、Todo.txtの小さなテキストファイルもたくさん保存でき、古いものもバックアップしておけます。万一、タスクリストの中身を消してしまったとしてもリカバーが可能です。また、ファイル全体のバックアップだけでなく、Todo.txtでは、個々のタスクの保存もできます。各タスクを「完了」としても、ファイルからは消さないように設定すればOKです。

 万人に理想的なタスクマネジメントツールは、なかなかありません。Kevinのケースでは、Remember the Milkがあまりうまく機能しなかった一方、Todo.txtがうまくフィットしたようですが、コマンドラインのインタフェースを見るだけで「なんとなく難しそう……」と感じる人もいるでしょうし、Remember the Milkでバッチリ生産性が向上する人も多くいることでしょう。

 Remember the Milk同様「Toodledo」「Things」「OmniFocus」といったタスクマネジメントツールも有効です。このほか、ライフハッカーアーカイブ記事「Firefoxの新タブ機能『Panorama』をToDoリストに使うというアイデア」でご紹介したように、タスクマネジメント以外のために作られたものを、生産性向上に活用するというアイデアもあります。

 みなさんは、生産性向上ツールに何を使っていますか? コメント欄で聞かせてくださいね。

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