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» 2011年02月23日 14時00分 公開

イチから分かる確定申告:子ども手当は増税だった――源泉徴収票の見方、教えます (2/3)

[奥川浩彦,Business Media 誠]

住民税の額は地域ごとに違うの?

 筆者は長年「○○市に住むと住民税が高い」という都市伝説を「へえ〜、そうなんだ」と思っていた。読者の中にも、「○○市は○○電器の本社があって、税収が多いから住民税が安い」などと聞いたことがあるかもしれない。なぜそういう話が広がったかは不明だが、住民税は、基本的には全国一律、どこに住んでも税額は変わらない。

 住民税は所得によって変化する所得割と、税額が一律の均等割からなっている。所得割は、市民税が課税所得の6%、県民税が4%、合計10%だ。均等割は市民税が3000円、県民税が1000円の合計4000円だ。表にすると以下のようになる。

市民税 県民税
所得割 課税所得の6% 課税所得の4%
均等割 3000円 1000円

 所得税の説明の中に「各種控除」というものがあった。基礎控除、扶養控除、生命保険控除といったものだ。所得税と住民税では、各種控除の額に差がある。主なものは以下の通りだ。

控除名 住民税の控除 所得税の控除
基礎控除 33万円 38万円
配偶者控除 33万円 38万円
配偶者特別控除 〜33万円 〜38万円
扶養控除(一般) 33万円 38万円
扶養控除(特定) 45万円 63万円
生命保険料控除 〜3.5万円 〜5万円

 東国原慎太郎さんの所得税の控除と比較してみると、社会保険料控除は同じで47万円、配偶者控除が38万円から33万円、扶養控除も38万円から33万円、生命保険料控除が5万円から3万5000円、基礎控除も38万円から33万円となるので、控除額の合計は166万円円から149万5000円と16万5000円減ることになる。

  • 所得税の控除=47万円+38万円+38万円+5万円+38万円=166万円
  • 住民税の控除=47万円+33万円+33万円+3.5万円+33万円=149.5万円

 課税所得額は所得346万円から住民税の控除を引くと、

  • 346万円−149.5万円=196.5万円

 となり、所得税の課税所得180万円より高くなる。この控除額の差で大きいのは、扶養控除の特定扶養親族=高校生と大学生の子供がいる家庭だ。高校生と大学生が一人ずついた場合、所得税では63万円×2=126万円の控除だが、住民税は45万円×2=90万円と、その差は36万円もある。

 少々話が複雑になるが、住民税にはさらに「調整控除額」なるものがある。国から地方への税源移譲が平成19年(2007年)に実施された。ざっくり言うと、所得税は所得に応じ10%、20%、30%、37%だったのを現在の5%、10%、20%、23%、33%、40%に変更、住民税は5%、10%、13%だったのを現在の一律10%とした。これによる税額の差が生じないように調整控除額なるものが設定されている。この例の場合は市民税を4500円、県民税を3000円差し引く。住民税の税率は市民税が6%、県民税が4%なので所得割は、

  • 市民税=196.5万円×6%−4500円(調整控除額)=11万3400万円
  • 県民税=196.5万円×4%−3000円(調整控除額)=7万5600万円

 となる。これに均等割の市民税3000円、県民税1000円を加えると、

  • 市民税=11万3400万円+3000円=11万6400円
  • 県民税=7万5600万円+1000円=7万4600円

 2つを合計すると、

  • 住民税=11万6400円+7万4600円=19万1000円

 が住民税となる。

住民税も実は増税、子ども手当分を計算してみる

 住民税にも子ども手当による増税の影響はでてくる。扶養控除の33万円がなくなると、控除額が33万円減って149.5万円から116.5万円になり、課税所得はその分33万円増え196.5万円が229.5万円となる。調整控除額、均等割も計算すると住民税は23万円となり3万9000円の増税となる。所得税の増税分3万500円を合計した6万9500円が増税されるので、実質の子ども手当は年間31万2000円−6万9500円=24万2500円となる。

 冒頭で「住民税は基本的には全国一律」と書いたが、筆者が住む愛知県の場合「あいち森と緑づくり税」があり、県民税の均等割1000円に500円が上乗せされ住民税と一緒に徴収される。全国で30県ほど似たような税によって課税しているようだ。また名古屋市は河村たかし市長の公約である市民税10%減税を実施している。大村秀章愛知県知事も県民税10%減税を掲げており、名古屋市に住むと実質の住民税額は9%なりそうだ。

 納税の時期も住民税と所得税は異なっている。住民税は対象年の翌年に納税する仕組み。サラリーマンの場合、毎月所得税と住民税が天引きされているので、感覚的に理解しにくい。2010年の収入に対する所得税は毎月天引きされ、最終的に年末調整で2010年12月の給料で差異が修正され、納税がすべて済んでいる。住民税は2010年の課税所得額から計算したものを、2011年の6月から2012年の5月まで1年間で天引きする仕組みだ。子ども手当により増税となった住民税を納めるのは来年(2012年)の6月からとなる。

 個人事業主の場合は2010年の所得を2011年の2月から始まる確定申告で申請し、所得税は3月15日までに1年分をまとめて納税。住民税は2011年の6月、8月、10月、2012年1月の計4回に分けて納税を行う(一括も可能)。3カ月分をまとめて払うことと、自分自身が金融機関やコンビニで支払うので、「納税している」という実感をたっぷり味わうことができる。

インフレ時代の確定申告

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