人には向き不向きがあります。もしも「お金持ちになりたい」と思うのであれば、「どうやってお金持ちになるのが、自分らしいのだろうか?」という問に対する自分なりの答えを持っておくとよいでしょう。
本連載は「人生の大問題を図解する!」(光文社)の内容からポイントだけをピックアップしています。読者の皆さんのライフプランを見直し、後悔しない人生を送るための手助けになればと願っています。
人生の重大事の中から、「お金」「語学力」「仕事」「家族」「思考力」という5つのテーマで衝撃的かつ客観的なデータをいくつか紹介します。
第5回は「どうやってお金持ちになるべきか」です。
国や企業に将来をまかせてもアテにならないという話を「あなたの人生にかかわる衝撃的事実リスト【お金と資産運用編】」でしました。それでは何をアテにすればよいのでしょうか? それは他でもない私たちの能力しかありません。
私たちは「運用」というと金融資産の話ばかりしてしまいがちですが、実は私たち自身が持っている一番価値の高い資本は、何を隠そう「労働資本」なのです。
そもそも、私たちは日本で働き、日本円で給料をもらっています。そういう意味では、日本というマーケットに対して「自分」という労働資本を元本に、給与という配当をもらっていることになります。日本の景気が上がれば給与が上がり、景気が下がれば給与が下がる。つまり、日本というマーケットに自分という労働資本を投資しているのと同じです。
それでは、私たちの労働資本の価値はいかほどでしょうか? 例えば、年収500万円のビジネスパーソンであれば、利回りを3%と仮定して逆算すると1億6千万円以上(=500万円÷0.03)もの労働資本を持っていることになります。この労働資本は「生活費」という運転資金が必要ではありますが、実に効率的に、手堅く運用しているわけです。
前置きはさておき、誰でも労働資本と金融資本の2つの資本を持っているわけですが、若い時代にはそれほどの蓄えがあるわけでもなく、多額の遺産相続でもしない限り、手元資金はたかが知れています。ですから多くの場合、所有している資産の中でもっとも価値の高いものは何ですか? という答えは「労働資本」ということになります。
つまり「どう働いて金を稼ぐか」を考えた方が、「どうやって少ない金融資産を殖やすか」よりはなんぼかマシということが言えるでしょう。
私たちは、金融資産の運用方法よりも、まず労働資本の運用方法について真剣に考えるべきではないでしょうか?
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