消費税の仕組みを考えよう増税サバイブ術(2/3 ページ)

» 2013年01月28日 10時00分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

所得税の減収、消費税は安定

 国の税収の大きな柱となっている、所得税、法人税、消費税の推移を、消費税を導入した平成元年からグラフにしてみた。

 法人税(緑線)は平成元年には19兆円だったが、バブル崩壊後に12.1兆円まで減っている。リーマンショック前の平成19年には14.7兆円だったが、リーマンショックを受け平成20年には10兆円、平成21年には6.4兆円まで激減している。所得税(青線)は、平成3年には26.7兆円だったが、ダラダラと減少し現在は13.5兆円と半分ほどに減っている。

 これに対し平成元年4月から導入された消費税(赤線)は、平成9年4月に5%(国税は4%)となり、常に安定した税収となっていることが分かる。

 法人税、所得税が景気の影響を受けやすいことや、好景気が期待できないことを考えると、税収を増やす近道として消費税率を上げたいと考えるのは当然かもしれない。仮に消費税が5%から10%(国税分は4%から7.8%)になれば買い控えなどマイナス要因もあるので倍にはならないだろうが、大きな税収アップとなりそうだ。

 筆者のような個人事業主は法人ではないので、法人税ではなく個人所得税を納めているが、サラリーマンのように収入が安定しないため、納税額は法人税のように変動することが多い。個人事業主も法人も儲かったら納税額が増え、儲からないと納税額が減る。さらに儲かると設備投資をしたり物品購入をしたりして経費を増やし節税をするのが一般的だ。

 これに対し消費税は節税というイメージからは遠い感じがする。売上げ1000万円以下の消費税免税事業者というのは存在するが、おそらく全体の税収に対する影響は少ないので、消費税は節税対象にはなりにくいという面もありそうだ。

バブル絶頂期に始まった消費税

 消費税は平成元年(1989年)に始まった。平成生まれの人はもちろん、おそらく30歳以下(当時6歳)の人は生まれた当初から消費税は当たり前の存在だったはず。ここで消費税の歴史を少し振り返ってみよう。

 平成元年4月1日、税率3%でスタートした消費税。昭和天皇が1月7日に崩御され、翌8日に元号が昭和から平成に変わったこの年は、ソニーがコロンビア映画を買収、三菱地所がロックフェラーグループを買収、横浜ベイブリッジが開通、幕張メッセがオープン、トヨタのセルシオ、ユーノスロードスター、ホンダのインスパイアなどの発売、12月には日経平均株価が3万8915円の史上最高値を記録するなど、まさにバブル絶頂期だった。海外でも天安門事件、ベルリンの壁崩壊、ブッシュ、ゴルバチョフのマルタ島会談で冷戦の終結など大きなニュースがあった年だった。

 3%の消費税率が5%に引き上げられたのは平成9年(1997年)4月1日。この年は長野新幹線、東京湾アクアライン、山陽自動車道が開通、山陽新幹線で500系が営業運転開始、大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)、ナゴヤドームが完成、ハリヤー、エルグランドといった高級車がデビューするなどバブル崩壊を経て日本が元気になりつつあった年だ。反面、北海道拓殖銀行破綻、山一證券破綻、三洋証券破綻などバブル崩壊後の大型倒産の年でもあった。ちなみに、ジョホールバルで野人岡野のゴールでサッカー日本代表がワールドカップ初出場を決め、日本中が歓喜したのもこの年だ(懐かしい……)。

 過去の消費税導入、税率アップは確かに景気のよい年に行われている。現状は好景気とはほど遠い状況で、消費税率8%への変更は景気動向を見ながら平成14年4月スタートを予定している。

 消費税の税率3%から5%への引き上げは、消費税を3%から4%に引き上げ、地方消費税の1%がプラスされ5%となってる。正しい表記は消費税4%、地方消費税1%だが、国税4%、地方税1%と表記されることもあり、一般的には消費税5%と呼ばれてる。消費税が8%に引き上げられた場合は、国税6.3%+地方税1.7%で8%、10%に引き上げられた場合は国税7.8%+地方税2.2%で10%となる。

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