消費税の仕組みを考えよう増税サバイブ術(3/3 ページ)

» 2013年01月28日 10時00分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]
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消費税の問題――逆累進制

 消費税には「逆累進課税の問題」があると言われている。所得税などは収入(課税所得)の多い人ほど税率が高くなる累進課税制度を採用している一方、消費税の場合は年収1000万円の人も300万円の人も100円の買い物をすれば同じ5円の消費税となり、年収の多寡に関わらず、税額が同じになるからだ。また、貯蓄した時点では消費税を払わないので、高収入で貯蓄する余裕のある人のほうがカツカツの生活をしていている人より、収入に対する消費税率は小さくなる。

 消費税の率でみると逆累進制があるが、消費税額でみると一般的には高収入な人ほど納税額は多くなる。軽自動車よりで高級車、牛丼チェーン店より松阪牛のステーキ……と年収の多い人の方が出費額が多くなり年間の消費税額は多くなるのが普通だ。貯蓄に関しても、いつか高額な買い物をすれば、その時点で多くの消費税を払うことになるので、消費税率とは別に考えるべきとの意見もある。

 こうした逆累進制の問題などに対応し、食料品など生活必需度の高いものの税率を下げるなど、所得の少ない人への配慮も検討している。

消費税の納税額を確認してみよう

 個人が実際に消費税をどれくらい払って(納めて)いるのかを考えてみよう。まず消費税の非課税、不課税、免税の品目を確認しておこう。

品目 対象
非課税品目 課税対象としてなじまないものや社会政策的配慮からあえて法令で非課税としているもの 土地の譲渡と貸付、住宅の家賃、社会保険料、預貯金の利子、信用保証料、出産費用、行政手数料、埋葬料、火葬料など
不課税品目 寄付や贈与、国外取引など消費税とは関係のないもの 給与・賞与、冠婚葬祭事の祝い金・香典、損害賠償金、示談金、税金、罰金、輸入関税など
免税品目 輸出売上など法令で税率を0%にしているもの 輸出売上、海外出張の旅費・宿泊費、国際電話・国際郵便など

 続いては、年収800万円と年収380万円で所得税、住民税、消費税などを比較してみよう。比較条件は年収800万円の人は30代後半で独身。家賃は10万円(年間120万円)、毎月5万円(年間60万円)を貯蓄、生命保険に1万円(年間12万円)を払っている。年収380万円の人は20代前半で独身。家賃は5万円(年間60万円)、貯蓄はなし、生命保険にも入っていない。社会保険は年収から算出されない、住民税は前年の収入から計算されるなど細かな点は無視している。

 年収800万円の人の所得税は約47万円、住民税は約45万円、社会保険料は110万円。これらを引いた手取り598万円から60万円を貯蓄し、家賃120万円、生命保険12万円を払っている。家賃、生命保険は非課税なので、残った406万円を全額消費すると消費税は約19万円となる。

 年収380万円の人の所得税は8万円、住民税は約17万円、社会保険料は52万円。これらを引いた手取り約303万円から家賃60万円(非課税)を払い、残り約243万円を全額消費すると消費税は約12万円となる。

年収 800万円 380万円
社会保険 110万円 52万円
所得税 46万6500円 8万円
住民税 45万3500円 16万6500円
家賃 120万円 60万円
貯蓄 60万円 0円
生命保険 12万円 0円
消費金額(税抜き) 386万6667円 231万7619円
消費税 19万3333円 11万5881円

 消費税の納税額は約19万円と約12万円となり、消費金額の多い年収800万円の人の方が多くなる。年収に対する納税額に比率は、年収800万円の人が2.42%、年収380万円の人が3.05%となり、年収800万円の人の方が低くなる。所得税、住民税、消費税の合計額は年収800万円の人が約111万円、年収380万円の人が36万円となっている。

 今回は所得税、住民税の結果だけをお伝えしたが、次回以降は自分の所得税、住民税が計算できるように、その仕組みと計算方法をご紹介したい。

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