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» 2013年02月01日 09時30分 公開

スマートデバイスの企業導入は心理面でも効果もモバイルクラウド(1/2 ページ)

ペーパーレス、会議室不要、業時間の短縮化など、スマートフォンやタブレットの企業導入がもたらす効果をあらためてまとめた。

[八子知礼,Business Media 誠]

集中連載「モバイルクラウド」について

 本連載は2012年11月に発売した『モバイルクラウド』(中経出版刊)から一部抜粋しています。

 爆発的に増える巨大なデータ量(ビッグデータ)の先には「モバイルクラウド」という新たなソリューショントレンドが生まれつつあります。しかしモバイルクラウドの本質は、「ノマド」「ソーシャル」「スマートデバイス」などとともに語られてきた「ワークスタイルのシフト」にあります。本書はモバイルクラウドが私達の暮らしに与えるインパクトを語る一冊です。


 スマートフォンやタブレットの企業導入は、心理的な面でも効果があると言われている。

顧客との距離が近くなる

 営業員が顧客の前でPCを広げるのは、今では当たり前の風景になりつつある。しかし顧客からすれば営業員が目の前でPCを使っているのは、あまり良い気持ちがしないものである。

 顧客の心理としては営業員の手元が見えないので、何を操作しているのか、どんなメモを取っているのか、本当に商談をしているのか不安になってしまう。実はノートPCのモニターの壁が1枚あるだけで、心理的には相手と隔離されているのだ。

 営業員からすれば、顧客に見えないのは安心なのだが、顧客にとっては反対の効果になってしまう。

 ところがタブレットになると、相手とそのタブレットの画面を共有しながらインタラクティブな会話ができるので、顧客側としてもノートPCよりも格段に安心感がアップする。その場で、デザインや仕様を変えたものをイメージとしてすぐに見せられるので、顧客としてもイメージがしやすい。

 これは今までのPCにはないデバイスの機能であり、モバイルクラウドの特徴なのではないだろうか。

知識の共有がスムーズになる

 もう1つは、どこでもコンテンツを視聴できるメリットである。例えば企業にとっては、eラーニングのコンテンツや、もしくは社内の幹部がどこかで講演した内容を映像で見られる。

 ある研修での講演の内容を、研修に参加できなかった社員が会社に立ち寄る前に閲覧、視聴でき、例えば土曜日に実施した社内研修も月曜日の朝には研修に出席できなかったメンバーも含めてみんなで共有できる。

写真はイメージです

 また、アクセス履歴をクラウドサイドで管理することは当然の機能として実装するため、誰が学習コンテンツを視聴し、誰がまだ視聴していないのかの履歴を残すこともできるし、学習の結果きちんと理解しているかの評価も、履歴に残せる。

 これは人材の回転が速く、契約形態や働き方にも多様性のある飲食業界などでは非常に重宝するソリューションである。深夜まで働いたあとの帰りの電車内で、使い慣れたモバイル環境から学びたいコンテンツを視聴することができる、というわけだ。

「勤務時間」がなくなる

 モバイルクラウドでデスクワークも格段に効率化すると予想される。

 会社の中には固定座席があり、ノートPCであっても固定されたPCとして使用している会社も依然として多く存在する。

 オフィス内勤職であればその環境でも特段問題は生じないと思われるが、外勤職の場合には、外出先から会社への帰途で携帯電話などで書いたメモを、会社の端末で編集することはできなかった。なぜなら、携帯電話より会社のPCの方がコンピューティング能力は高かったからだ。

 ところがモバイルデバイスが充実し、モバイルクラウドの環境に慣れてくると、社内外で行っていた編集作業がこれらモバイルデバイスを使って引き続きできてしまう。

 さらに、クラウドストレージに保存しておくことで、自宅のデバイスからもアクセスできるので、いつでもどこでも仕事の続きができる。すると、会社のデスクが、ひいては社に戻ることが本当に必要なのかという疑問がわき起こってくる。

 このように、幸か不幸か、どこでも仕事ができる環境がさらに進むので、ホワイトカラー(事務職、企画職などデスクワーク中心)にとっては通勤の時間、外出先への移動の時間、出張の行き帰りの時間、訪問先で待っている時間さえも仕事ができる。

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