「ロボット掃除機型」と命名された2013年度の新入社員。彼、彼女らの研修を通じて見えてきた社員研修の意義について考えてみます。
本年度も担当の新入社員研修を無事に終え、やっと落ち着きました。私の研修を受講した新入社員の皆さんが、現場で活躍することを祈るばかりです。
さて、日本生産性本部が毎年発表している新入社員のタイプ。2013年は「ロボット掃除機型」でした。その根拠は「均一的だが効率的に動く」「プレッシャー(段差)に弱い」「たまに行方不明になる」とのことです。なるほどと膝を打ちたくなる表現ですが、今回は私が2013年度の新入社員研修で気付いたことや感じたことを書いてみます。
2013年度の新入社員は、講師から見ても優秀であったと思います。ここで優秀の定義付けをしたいのですが、優秀とは素直だということにします。つまり、講師が説明する内容を素直に聞き入れて理解し、それを与えられた環境(ロールプレイングやワーク)でアウトプットしていたということです。
このようなタイプが多かったおかげで、どれだけ研修を進めることが楽だったことでしょうか。と、安堵したいところですが、そうはいきません。従来の研修ではそれでもよかったのかもしれませんが、昨今、企画担当者や現場マネジャーの間には、研修に対するさまざまな思いがあります。それは「研修は時間とコストのムダ」ということです。その原因は、研修と実際の現場では環境が異なることにつきます。
その状況と解決法を見ていきましょう。まず、新入社員研修における受講者の前提条件を挙げて考えてみましょう。
上記の条件では、マネジャー研修、チームビルディング研修、営業戦略研修で採用している手法であるアクションラーニングが採用しづらいことにあります。よって新入社員研修では、新しい知識やスキルを右(講師)から左(受講者)へ伝達していくことが中心になり、あらゆる状況を講師が具体的に説明したとしても、そもそも経験がないので実際の状況をイメージすることにも限界があります。また、ワークやロールプレイングでも、与えられた環境や場面での中での経験になります。