フリーランスで失敗するのはどんな人?フリーランスを目指す前に(1/2 ページ)

フリーランスを目指す人は、いくらPCがあれば始められる仕事だといっても、事前に知っておくべきこと、準備しておくべきことはある。後になって失敗しないために、自分のワークスタイルにおいて何が必要なのかをよく確認しておこう。

» 2013年05月27日 11時00分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

集中連載『フリーランスを目指す前に』について

 本連載は2012年12月14日に発売した『フリーランスを目指す前に読む本』(三河賢文著、豊作プロジェクト刊)から一部抜粋しています。

 オフィスを持たずに、どこでも仕事ができる新しい働き方。会社員の中にも、外出先で空き時間にカフェなどから仕事をしていることがある。しかしこの働き方のほとんどは、いわゆるフリーランスワーカー達だ。近年は働き方が多様化しており、こうしたフリーランスが増えている。

 このような働き方が生まれた理由の1つは、やはりITの進化だろう。PCなどの電子機器やインターネットサービスが普及して、働くことに自由度が広がったのだ。もう1つは、社会環境の変化である。長引く不況に企業は苦しみ、そしてその企業に対して人々が不安不満を抱く。こうした心理的変化が、「会社を飛び出す」という選択肢につながっていくのである。

 しかし近年、どうも「フリーランス」「ノマド」という言葉だけが独り歩きしているように思える。こうした働き方をする人々に対して否定的な見方を示す人も増えているし、どうやら働き方に伴う“品格”ともいえるものが崩れてしまっているのではないだろうか。

 私自身そうした働き方を実践する身として、この働き方は月並みだが素晴らしいと思う。しかし万人にとってではなく、やはりメリットがあればデメリットもある。これから起業・独立あるいは副業などでノマドを目指す人には、こうした働き方の持つ「本質」について良く理解しておいてほしい。その上で、1つ働き方の選択肢として、「フリーランス」を目指すべきかを考えてもらいたい。


 フリーで働くという選択肢を選んだら、今度は「どこで、どのように働くか」が大切になってくる。事務所を持つのか、それともノマドスタイルでいくのか。毎日のライフスタイルにも関わってくるので、慎重に検討したいところだろう。

 事務所を持つのは、コストが掛かる。賃料は地域にもよるだろうが、スタートアップの時点で月数万円以上の出費は厳しいと感じるだろう。

 とはいえ自宅で仕事と考えると、これもまた大変だ。1人暮らし、特に1Rや1Kなどで暮らしている場合には、自宅で仕事をするのは難しいかもしれない。生活と仕事の環境が一緒になると、目に付くところに誘惑が多いからだ。マンガや雑誌、ゲーム、テレビなど……仕事に集中できなくなってしまったら大変である。

 私の場合は、自宅の一室を事務所化している。しかし外出も多いため、そんなときには半分ノマドワーカーとなっているのが現状だ。また事務所になる部屋があるといっても、時々家族が入ってくるので集中できないこともある。

 事務所を持つことは今のところ考えていないが、子ども達が大きくなって家が手狭になったら、あるいは事務所を外に構えるかもしれない。しかしその場合でも、できるだけ自宅から近くにしたいと思っている。なぜなら、“移動する”という時間がもったいないからだ。

 そんな中、働く場所として選択肢に入るのがノマドワーキングとなる。

 中には仕事の内容から、ノマドでは難しい人もいるかもしれない。しかし今や、ほとんどの仕事はノマドワーキングでできてしまうだろう。ノートPCとインターネット回線さえあれば、メール処理や情報収集、スケジュール管理、事務処理まで問題ない。場所を選ばずに仕事ができるわけだ。

ノマドワークに必須のものとは?

 ノマドワーカーの主な拠点となっているのは、カフェやファミレスである。特にその中でも、公衆無線LANの環境は必須という人は多いだろう。やはり、インターネットに接続できなければいけない。

 また中には、電源の確保を優先させるワーカーもいる。ノートPCもバッテリーのもちが良くなっているが、それでもまだいわゆる「電源難民」となる人はいるようだ。

 長くノマドワーカーとして活動している人は、恐らく数件のワークスポットを自分の中で決めている。ただ目的なく移動するのではなく、「あそこはインターネットがつながるから」といって足を運ぶのだ。

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