“ベンチャーらしさ”と重厚感を同居――オフィス移転で学生からの注目度がアップベンチャー企業オフィス100選【エルテス編】

クライアント向けには「しっかりした、堅い会社であること」を、学生や若手社員向けには「ベンチャー企業らしい会社であること」をアピールする。エルテスの新本社にはそんな狙いがある。

» 2013年10月23日 09時00分 公開
[オフィス通信]

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本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。


 SNSやブログ、検索サイトなどWeb上のさまざまなメディアに起因する企業リスクを回避、低減するための「Webリスクマネジメント」などを提供しているエルテス。同社はもともと恵比寿で起業し、その後新宿を経て2009年以降は港区内で2度ほどオフィスを移転してきた。そして2012年9月に、港区へ移ってから3つ目のオフィスとなる現在の「新橋スクエアビル」へ入居したという。代表取締役を務める菅原貴弘氏は、同社のこれまでの移転をふり返って次のように語る。

耐震性やセキュリティなど、安全・安心な働く環境を構築

 「1つ前のオフィスは、賃料負担を抑える狙いもあって西新橋の築年数の経過したビルに入居していたのですが、移転直後に東日本大震災が発生しました。幸い、大きな被害こそありませんでしたが、やはり安心して働くためには耐震性のしっかりした新しいビルへ移ることにしました。港区には大手のクライアントや代理店が多いため、恵比寿や新宿に比べて利便性に優れ、ブランディングを高めるうえでも効果があると思っています」(菅原氏)

 今回のオフィスでは会議室を増設し、10〜15人程度の小規模なセミナーも開催できる大会議室をはじめ、目的と用途に合わせて5つの会議室や応接室を設けている。もともと日常的に多くの来客が押し寄せるといった業態ではないが、社内での打ち合わせや面談、ミーティングのほか、大会議室では新卒説明会も行われるなど、豊富なスペースを有効に活用しているという。

 「また、サイトの監視業務など夜間の勤務の際の施錠など、セキュリティ面も強化しています」(菅原氏)


オフィス面積拡張により、大人数での使用が可能な大会議室を新設(左)、視線を遮るパーティションなどを廃した見通しのいい執務スペース(右)

相反する要件を両立させるシンプルで凝ったデザイン

 同社のエントランスは漆黒の大理石の化粧板に白いラインが走り、そこに同社のロゴマークが刻まれているという、シンプルながら凝ったデザインになっている。これは、同社のクライアントに向けては「しっかりした、堅い会社であること」をアピールし、同時に、新卒学生や若い社員たちに向けては「ベンチャー企業らしい会社であること」をアピールする、という狙いがあるという。一見相反する要件のようだが、じっさいのオフィスを見ればこれを見事に両立していることが伝わってくる。

 「以前のオフィスも割とこういう感じのデザインだったので、イメージを踏襲したという面もあります。施工業者さんの方からいくつか提示があった中で、こちらのデザインがいいなと思い、これに決めました」(菅原氏)


大手のクライアントが多いため、応接室は高級感のある調度で統一(左)、エントランス脇の廊下の待合席もさりげなく高級品を配置している(右)

 人材採用には以前から力を入れているという同社だが、オフィスをキレイにしたことで思わぬ副産物(?)も生じているのだと菅原氏は苦笑する。「マンションの1室や古い雑居ビルにオフィスを構えていたときには、それなりに根性の座った人しか応募してこなかったんですが、新しいビルに移ると、敷居が低くなったのか、軽い気持ちで応募してくる学生さんが増えたような気もします(笑)」(菅原氏)

 とはいえ、これまで以上に多くの学生から注目されていることも確かなようだ。「(現本社は)創業時から数えて5つ目のオフィスになりますが、スペース的にもまだゆとりがあり、ある程度の増員には対応できます。今後しばらくは、ここに腰を落ち着けて足場を固めていくことになりそうです」(菅原氏)

※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)

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