プレゼン文書の草稿、メールの返信などの長文をタブレットで書きたい───。そんなとき、ほぼ唯一無二の選択肢となるのがBluetoothキーボードだ。実際に買うときはどんなポイントに注意すればいいのか? 前編ではiOS編をお届けしよう。
仕事でタブレットをバリバリ使うようになると、キーボードが欲しくなる。込み入った内容のメールを書きたい、プレゼン資料をまとめたい――といった用途になると、タッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードで作業するのはやはり辛い。
そこで今回は、前後編の2回に分けて、タブレット向きのBluetoothキーボードを取り上げる。前編ではキーボードを選ぶ際の注意点を解説するとともに、iOS向きのBluetoothキーボード4種を紹介。後編ではAndroid向きのキーボードを紹介する。なお、今回の企画では、特定機種向きの画面保護カバー一体型キーボードや、汎用タイプでも比較的大ぶりの製品(テンキー搭載機など)は対象外としている。
Bluetoothキーボードを選ぶときの注意点として、この9点は外せない。
まずはそれぞれの項目について解説していこう。
スマートフォンほどではないにせよ、タブレットは日常的に持ち運ぶことが多い機器だ。そのため、Bluetoothキーボードもある程度は持ち運びやすさを考慮したい。
この点においては、折りたたみ型を選ぶか否かが最初のポイントとなる。折りたたみ型なら手のひらにギリギリ乗るくらいのサイズにまで小さくなるので、持ち歩くのにはとても便利だ。
その一方で折りたたみ型キーボードはキーサイズが小さく、一部のキーが省略されることもある。ノートPC並みの打ちやすさを求めていたり、持ち運んで使うことがないなら、非折りたたみ型のキーボードを選ぶ手もある。
Bluetoothキーボードは有線(USB)接続とは異なり、無線でタブレットとの通信を行うため、バッテリーが必要になる。
本企画で紹介するキーボードの電源は、乾電池と内蔵バッテリーの2種類。乾電池のメリットは、必要なときにどこでも入手できる点だ。万一、外出先で電池が切れた場合でも、コンビニなどで調達できる。充電式電池を持っていれば、電池代を気にすることもない。なお、使用する電池のサイズ(ほぼ単三か単四)や本数も確認しておきたい。
内蔵バッテリーは、付属のmicroUSBかminiUSBケーブルで充電することになる。出張などで長期間持ち歩く場合は、ACアダプタとUSBケーブルを持ち運んだほうが安心だ。タブレット本体の充電がUSB方式であれば、それらのアダプタを使い回せる可能性はある。なお、一般的に内蔵バッテリー式のほうが、乾電池式よりもキーボード本体の構造が薄くなる。
バッテリーの種類とも関連するが、Bluetoothキーボードは動作時間を一律に表現するのがなかなか難しく、メーカーによって対応が分かれる。多くは3カ月や半年といった期間で示されるが、1日あたりの利用時間を定めているのだ。これはユーザー側の環境によって使える時間が大幅に変わるからだろう。参考程度にみておくといい。
コンパクトなキーボードは、特殊キーが省略されていたり配置が特殊だったりする。カーソルキーがとても小さかったり、右Ctrlキーがなかったりするだけでなく、Escキーが単独で存在せず、別キーとの組み合わせになっている場合すらある。ファンクションキー(F1〜F12)の扱いも各製品によってかなり異なる。製品情報サイトを見れば、詳しいキー配置を確認できるだろう。
Bluetoothは汎用性の高い規格だが、Bluetoothキーボードとなると途端に一筋縄ではいかなくなる。まず大前提として「iOSでは日本語配列キーボードを日本語配列のまま使えない」ということを理解しておく必要がある(※)。
※ アップル純正のBluetoothキーボード「Apple Wireless Keyboard(JIS)」は、日本語配列のまま利用できる(2014/01/30追記)
iOSでは、最新のiOS 7であっても日本語キーボードを想定した設定がない。このため、日本語配列キーボードをiOS端末に接続しても、キーボードに印字されている文字や記号がそのまま入力できない。例えばShift+2を入力した場合、日本語配列なら「"」と入力されるはずだが、iOSの画面には「@」と表示される。
このため、iOS端末において、「キーの刻印通りの入力をしたい」という場合は英語配列キーボードを使うしかない。「iOS対応」をうたう日本語キーボードでも、よくよく見ると「キー刻印を読み替えてください」といった注釈がパッケージや説明書に書かれているはずだ。ちなみに、キーボード側で特殊な対応をすることで配列問題を解決した機種も一部ある。
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