“お値段以上”の軽快な書き味――ゼブラ発の380円スタイラスペンに驚いた冬にぴったり、これは買いかも

ゼブラがボールペン付きタッチペン「スタイラスC1」を発表した。発売前に一足早く使ってみたところ、380円と思えない書き味のよさに驚いてしまったのだった。

» 2014年02月19日 11時00分 公開
[渡辺まりか,Business Media 誠]
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「スタイラスC1」 「スタイラスC1」

 「指で操作するより書きやすいかも」と思ってスタイラスペンを買ってみたのに、逆に使いづらくてガッカリ。意外と高かったのに――そんな経験はないだろうか。

 ゼブラが2月25日に発売する「スタイラスC1」はボールペン型の本体上部にスタイラスを内蔵した製品だ。本体価格は380円。同社は本製品を「ボールペン付きタッチペン」と表記しているので、あくまでスタイラス部がメインでボールペンはあくまでもおまけのようだ。

 だからといって、ボールペン部分に手を抜いているわけではない。0.7ミリの油性インクを内蔵しており、0.7〜1.0ミリの油性インク、0.4〜0.7ミリのジェルインク、0.5〜0.7ミリのエマルジョンインク(水性インクと油性インクを混合したもの)など豊富なラインアップの中から替芯を選べるのも文具好きの心をくすぐる。

 ツイスト機構を採用しているため、ノック式ボールペンにありがちな、不用意にペン先が露出してあらぬところをインクで汚してしまうという“事故”も起きない。

ゴム製スタイラス、でも滑らかに書ける!

 スタイラス部はソフト導電性シリコンゴムを利用している。これまでいくつかのスタイラスペンを使ってきた経験から、太いゴム製のペン先は「反応が悪く引っかかりがちだし、書いている場所が分かりづらいのではないか」と、あまり期待していなかった。なんせ380円だし。

Photo ペン先にはソフト導電性シリコンゴム、軸にはアルミ素材を採用している

 しかしスタイラスC1の場合、書き味はサラサラとしている。手持ちのiPhoneで試してみたところ、通常のスワイプや文字入力は快適に行える。ペンの滑りが悪くて画面に引っかかったり、タッチしたつもりのないボタンが反応することもなかった。

 簡易お絵かきアプリも試してみた。いつもはスタイラスで描き始めても、思ったところに描画できなかったり、反応すらしないこともあったのだが、スタイラスC1は感度がよく確実に描画できる。スタイラス部が太いため、細かい操作になると作業部分が見えづらく、線と線をつなげられないといったこともあったが、ほとんどの場合、思い通りの場所に描画できたため、操作性はおおむね良好だといっていい。

左:文字を手書きしてみたところ、意外と繊細な文字も書けた。右:ストレスをあまり感じず、味わい深いイラストが描ける

 指でのタッチ反応があまり良くないと感じる手持ちのAndroidスマートフォン「ARROWS S」でも試してみたが、文字入力に関しては、指で操作するより誤操作が少ないように感じた。手書きメモアプリでも、指で操作するより小さい文字が書け、作業部分が見えやすいなどのメリットがある。

反応が良く、指で書くより作業しやすかった

1個380円、コスパ最強のスタイラスペンか?

 個人的に今まで最強のスタイラスペンはadonitのJotシリーズだと感じていた。ペン先についている透明ディスクのおかげで、どこをポイントしているか明確に把握でき、比較的細い線の描画も可能だ。しかし、500円も出せば多機能ボールペンが買える昨今、価格が2500円程度と文房具としては比較的高価で手が出しづらい面もあった。

左:Jotシリーズはペン先に透明ディスクを備えており、操作箇所が分かりやすい。右:高価なJot Proは自慢したいときだけ持ち出すようにしている

 しかし、スタイラスC1は380円。ポケットの中、かばんのすぐ取り出せる場所、オフィスのデスクの上、それぞれの場所に準備しておいてもいいと思える価格だ。また、前述のとおり、ボールペン利用時は軸をツイストして芯を繰り出す仕組みである上、全長114.5ミリ、重さ16.9グラムとコンパクトなため、持ち歩くのが苦にならない。

 しかも、アルミ製ボディはメタリック仕様で高級感もある。カラーも黒、青、赤、ライトブルー、白が用意されており、スタイラス部は軸色に合わせたカラーリングというのも地味に嬉しい。プラスチック丸出しのデザインだと、取り出したとき、チープな感じがして恥ずかしいが、これは見せて、試してもらって、価格を言うのが楽しくなるような製品だ。

 「スタイラスなんて、買ったところで使わなくなるし」と思っていた人にこそ、試してみてほしい製品だ。価格も380円。だまされたと思って1つ買ってみてはいかがだろう。

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