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『経営者になる 経営者を育てる』――経営者に求められる5つのスキルとは:藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー
ユニクロ、セブン-イレブン、信越化学、京セラといった企業のトップにインタビューした『経営者になる 経営者を育てる』。論理的・戦略的(左脳系)スキルに加えて、5つのアート系(右脳系)スキルを持つべきだという。
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ユニクロの柳井社長、セブン-イレブン鈴木会長、信越化学金川社長、京セラ稲盛会長らへのインタビューを元に、経営者に求められるスキルを考察したのが『経営者になる 経営者を育てる』(菅野寛著)。リーダーの力を形式知化し、計画的に経営者になるための道筋を描いているのが特徴だ。
経営者に求められる5つのスキル
論理的・戦略的(左脳系)スキルに加えて、5つのアート系(右脳系)スキルを持つべきだという。
- 強烈な意志:事業において何がなんでも結果をだす意志が求められ、そのためには利他的な高い志と責任感が要求される。
- しつこさ:『アイデアのつくり方』でもひらめき以前に徹底した分析が必要だった。考え・行動し続ける地道なしつこさが経営には欠かせない。
- ソフトな統率力:結果を出すには組織を動かす必要がある。ネアカな人間力をベースに、夢を掲げ共有し続ける統率力を持っておく。
- 勇気:意志決定にはトレードオフがあり、情報も十分でないことも多い。そんな状況でも何かを判断し、時に捨てる勇気が必要になる。
- インサイト:論理的思考は万能ではない。一歩引いて本質を理解し、組織が陥っている思考パターンを壊し、進化させる洞察力が求められる。
「自分」を乗り越える
利己的なエゴや失敗への恐れを主観的に超えられていることが、前半3つのスキルから理解できる。限られた情報の中で従来の方法を客観的に破壊・進化できることが、後半2つのスキルから見えてくる。自分の思い込みを主観的にも客観的にも乗り越えることが、経営者になるために必要なのだろう。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1000冊超。
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「これからの日本に必要なのは、革新的な経営感覚を持った若き経営者だ」――そう考え、有望な人材の発掘・育成のサポートに日々邁進する経営コンサルタントがいる。藤沢烈、33歳。マッキンゼー出身、現在は独立してベンチャー企業のコンサルティングを行う、彼の日常とは? - 1人シリコンバレー創業プロジェクト、そして――藤沢烈さん(後編)
「エゴは罪悪ではない」「200年先を見据えて考える」――思案しながら藤沢さんが選びだす言葉は非常にユニークだ。その彼が企画したのは“起業経験がない若い人に、1億円出資します”という一大プロジェクト。彼の思いは、そこに至るまでの人生とは……?
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