設置面積2割縮小――富士ゼロックス、中小企業向けにカラーデジタル複合機:仕事耕具
富士ゼロックスは、中小規模事業所向けA3フルカラーデジタル複合機「DocuCentre-IV C2260」を発表した。「Compact」「Convinient」「Cost performance」という3つのコンセプトを元に一から開発したという。
これまで「大手企業のシェアが主だった」という富士ゼロックスが11月24日、中小規模事業所向けの製品として、A3フルカラーデジタル複合機「DocuCentre-IV C2260」を発表した。
コピー、プリント機能を備えた「DocuCentre-IV C2260 P」と、コピー、プリント、ファクス、スキャン機能を備えた「DocuCentre-IV C2260 PFS」の2モデルを用意した。12月中旬より順次発売、価格は115万5000円〜152万2500円。
印刷速度はカラー、モノクロともに毎分20枚(A4ヨコ)。インタフェースとしてイーサネットポート(100BASE-TX/10BASE-T)を搭載する。
DocuCentre-IV C2260は、販売会社、特約店とマーケティング、開発部門の合同企画で生まれた。「省電力はマスト」「高機能すぎて難しいのは困る」「オフィスが手狭」といったユーザー視点や、「上位機種との操作性の統一感」「設置時間をとられたくない」特約店視点から出た意見を反映し、「Compact」「Convinient」「Cost performance」という3つのコンセプトを元に一から開発したという。
本体サイズは585×640ミリ×1046(Pモデル/幅×奥行き×高さ)と、A3カラー複合機では業界最小(2009年11月現在)が実現。サイドトレーのインナートレー化など省スペース設計により、設置面積を従来機に比べ約2割縮小している。
新たに静音設計を採用し、本体内部の冷却ファンの数を減らすとともに、従来機では待機時にも回転していたファンをすべて停止。「デスクサイドでも快適にご利用いただけ、オフィスのスペースコストを削減する」(富士ゼロックス)
操作パネルには7インチのカラーTFT液晶を採用。操作性は、上位機のApeosPort-IVやDocuCenterColoerIVシリーズと統一した。オプションとして、操作パネルにUSBメモリの差し込み口を搭載することも可能。スキャンデータを直接USBメモリに保存できるほか、USBメモリに保存した電子データやデジタルカメラの撮影画像をPCを介さずダイレクトにプリント出力できる。このほか、通常のファクス画面に加え、よく使う機能だけを大きな文字で表示する「らくらくファクス画面」も用意している。
スリープモードからの復帰は18秒で、用紙への定着が低温で済むEA-Ecoトナーを使用。また、1週間の標準的な消費電力量の試算値「TEC値」は、既存のモノクロ機の1.84kWhに比べ、1.56kWh(Pモデル)〜1.63kWh(PFSモデル)と省電力設計となっている。ファクス機能には、必要な文書のみを出力する機能や、不要なダイレクトメールの着信を拒否する機能も備えた。
種田乾吾常務執行役員は、今回中小規模事業所市場に展開していく理由を「スモールオフィス市場では、印刷速度11枚〜20枚/分クラスの機種の平均成長率は10%プラスと高い。現在モノクロ機が多い市場なので、新たにカラー機で市場を拡大ができると考えている」と説明。同時に、付帯サービスも積極的に導入していく考えも示した。例えば、設置時間の短縮を図るために、関連品の取り付けや各種設定を事前に倉庫で行った後商品を届けるサービスや、消耗品の自動配送や点検修理を通知するリモート管理サービスを無償で提供するという。
販売目標は年間4万台。富士ゼロックスは「カラー機ではトップシェアを目指したい」としている。
関連記事
- オフィス機器のデザインを統一、富士ゼロックスが複合機から導入へ
富士ゼロックスと米・ゼロックスは、共同で開発した新世代プロダクトデザインを、デジタル複合機の新シリーズ「ApeosPort-IV」「DocuCentre-IV」から順次導入する。 - レーザープリンタ顧客満足度、カラーはNEC、モノクロはリコー、富士ゼロックスがトップ
J.D.パワー アジアパシフィック調査で、カラープリンタでは、NECが「商品」「販売対応」「保守サービス」ともに高評価。モノクロレーザーでは、リコーが「保守サービス」、富士ゼロックスが「販売対応」「商品」について高い評価を得た。 - 仕事耕具:複合機と同じオプション 富士ゼロックスのA3モノクロレーザー
富士ゼロックスは、A3対応モノクロプリンタ「DocuPrint 4050」「DocuPrint 4060」「DocuPrint 5060」の3機種を12月12日から順次発売。いずれもモノクロの「DocuPrint」シリーズでは初めて、「ApeosPortシリーズ」と共通プラットフォームを搭載し、同シリーズのオプションが利用できる。 - 仕事耕具:富士ゼロックスのA3カラーLEDプリンタ、消費電力を従来機の3分の1に
富士ゼロックスは、A3対応のカラーLEDプリンタ「DocuPrint C3360」を12月19日に発売する。新開発の省エネASIC搭載コントローラを導入し、TEC値を従来機「DocuPrint C3140」の3分の1に低減した。 - “机の上”に電子文書を広げて管理する「DocuWorks 7.0」
富士ゼロックスは、PC内の電子文書とスキャンした紙文書を一元管理できるドキュメント管理ソフト「DocuWorks 7.0 日本語版」を発売する。電子文書に付せんやマーカー、スタンプなどの加工を行えるアノテーション機能などを強化した。 - 仕事耕具:純正は「世界初」――リコーから、バイオマストナー使用のモノクロ複合機
リコーは、デジタルモノクロ複合機「imagio MP 6001GP」を発売する。世界で初めて、メーカー純正のバイオマス由来のトナーを採用した。 - 仕事耕具:複合機のファックス受信、完了通知は手元のビジネスホンで――京セラとナカヨ
複合機のコピー、プリント、スキャン、ファックスの作業完了をビジネスホンの液晶画面に――。京セラミタジャパンとナカヨ電子サービスは、京セラミタのカラー複合機とナカヨ通信機のビジネスホンを連係させるソリューションを発売する。 - ビジネスプリンタ“徹底活用法”:今年発売した10万円前後で購入できるA4カラーレーザー複合機、ポイントはここ(セキュリティ編)
複合機の購入を検討しているなら、使用権限を設定できる管理機能や、セキュリティ機能についても押さえておきたい。前回に引き続き、紹介するのは10万円前後の価格帯の製品だ。 - 仕事耕具:A3カラー複合機もリコンディショニング――リコー、製造時のCO2を9割削減
リコーは、使用済み製品を再生したリコンディショニング機「imagio MP C3500RCシリーズ」と「imagio MP C2500RCシリーズ」の2シリーズ4モデルを発売する。製造時のCO2の排出量は、前身機に比べて約93%削減した。 - 仕事耕具:リコー、A4レーザー複合機初のエントリーモデルなど2機種
リコーは、A4判対応のモノクロレーザープリンタ「IPSiO(イプシオ)SP 3410」、モノクロレーザー複合機「IPSiO SP 3410SF」を2発売する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.