上司に「会議を減らしませんか?」と進言してみよう:結果を出して定時に帰る時短仕事術
生産的ではない、社内向けの会議に辟易(へきえき)――。そんな人は、ぜひ「会議を減らして」と上司に進言してみよう。ポイントはコスト、時間、内容の3つです。
みなさんの会社では、週にどのくらい会議が行われるでしょうか? いろんなプロジェクトの定例会議、部署ごとの報告会、チームミーティング……。生産的ではない、社内向けの会議の多さに嫌気がさしているのではないでしょうか?
会議が多いと、上司はたくさん仕事をした気になる
時間管理や知的生産性を高めるためのテクニックは個人のためだけのものではありません。グループや組織においては、時間あたりの生産性の問題はさらに大きなものになるでしょう。それを阻害する1番大きな要因は「会議の多さ」です。1日の半分以上が会議で占められている人は絶対に改善すべきです。
会社のメンバーに時間管理に関する要望を聞くと、必ず「会議の時間や数を減らしてほしい」という意見が出てきます。しかし実際問題として、現場のプレイヤーでない上司にとっては、会議をやっている時こそ仕事をやっている実感がわいている人もいるはず。むやみに「会議を減らしてください」とダメ出ししても「いや、情報共有は重要なコミュニケーションの機会」と返り討ちにされるのがオチです。そんな上司も納得できるような、会議をもっと生産性の高いしくみにするためのポイントをいくつか紹介しましょう。
会議コストを算出して、全員で意識する
会議ほどコストのかかっているイベントはありません。会議室の占有費(賃料と広さから計算可能)、機材費、資料などの消耗品費、そしてもっとも大きいのは人件費です。人件費は、時給の1.7倍程度かかっています。
例えば、部長の月給が100万円、課長が60万円、メンバー3人が30万円だとすると、2時間会議を行うための人件費は5万円以上。これだけのコストに見合う生産的な話がされているか、会議で検討テーマとしてあげてみるのはどうでしょうか?
会議の数が減らせないなら、時間を短くしてみる
また、人の記憶は時間を追って減衰していきます。1週間前、1カ月前に起こったことを他人に報告するためには、自分自身で記憶を呼び戻し、整理するための余計な時間がかかります。
ですから、毎週毎月まとめてやっている長時間の報告会議を、毎朝10分に変えてみるのも手です。ダラダラした会議にならないように「1人あたりの発言時間を1分に制限する」など、ルールを決めるのも有効です。一言で発言をまとめる習慣は、エレベーター・ピッチ(※)の練習にもなります。
会議の時間も変えられないなら、せめて内容を変えてみる
単なる進捗報告であれば、メールを回覧すれば済む話です。そうではなく、業務改善を考える会議、これからの戦略を考える会議、新製品やサービスを考える会議など、重要なテーマに切り替えるのはどうでしょうか?
筆者の会社も、毎週定例の開発部内の会議では、各自の進捗をひたすら聞くだけのものでしたが、現在では、そうした報告は朝の10分で済ませ、その代わり定例会議では、世の中の技術動向や新サービスのアイデアなどを発表し合う、建設的な内容になっています。こうすることで以前に比べ、参加者の積極性も目に見えて変化しました。
時間管理に厳しい人とそうでない人との差は、マネジメント層になってくると如実に差が出てくるものです。時間意識の乏しい上司に対しては、反感を買わないように「あくまで会議をよりよくしていく」というスタンスで進言するように注意しましょう。
集中連載「結果を出して定時に帰る時短仕事術」について
本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。
残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。
ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。
本書は、しっかり結果を出しながらも、将来の自分価値を高めるための「時短仕事術」を紹介しています。人生の価値感管理から日常生活のタスク管理まで、生産性戦争に打ち勝つためのテクニック満載です。
- 1時間目:残された時間を価値あるものに
- 2時間目:仕事も人生もうまくいく! 理想の時間割
- 3時間目:最少の労力で最大の成果を上げる知的生産の方程式
- 4時間目:必ず目標を実現する! スケジュール&タスク管理術
- 5時間目:集中力が劇的にアップする!すきまアクションとじっくりアクション
- 6時間目:時短の達人が教える! 生産性を高める小さな習慣
- 7時間目:ITを味方につけなければ、生産性戦争に勝てない!
- 8時間目:最短で問題解決するための時短思考のツール
- 9時間目:チームの生産性が飛躍的に高まる! 時短会議のススメ
- 資料編:時短の達人になるためのチェックリスト
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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