「withEver」のタグ検索で“iPhoneでEvernote”がどう変わるか:あなたの不安、見積もります
iPhoneでEvernoteを利用するといろいろ便利なことがあるのですが、それ以前の問題として使い勝手がそれほどよくないという問題もあります。特に検索について。この部分を解消するためのアプリ「withEver」がバージョンアップしました。
Evernote上にあるノートからキーワード検索するためのiPhoneアプリ「withEver」(85円)でタグ検索ができるようになりました。これは大きな変更です。withEverに関しては先日も記事を書きましたが、このわずかなアップデートで使い方が大幅に変わりました。
以前からも指摘がありましたが、iPhone版Evernoteには使いにくいところもあります。というのも、Web上のEvernoteとiPhone版Evernoteで同期を取っていないと、いざという時にすぐに検索できなかったからです。とくに大量のノートを抱えている人や、たまにしかiPhoneで使わないという人には「使い物にならない」という印象があったかもしれません。
ふだんから同期を取る・取らないの設定や、そもそも同期を取っておくノートを決めておく、あるいは「保存された検索」を駆使するなどの工夫をしておけばいいという面もあるのですが「そんなことはまったくしない」という人には不便だったでしょう。
そうした人は今後、withEverに加えて、すばやく投稿するためのiPhoneアプリ「FastEver」(170円)を組み合わせて使うことで、EvernoteのiPhoneアプリを使わなくてすむはず。完全な代替にはなりませんが、先ほど述べた「外出先でたまに使う」人にはぴったりの組み合わせです。
FastEverは入力が、withEverは検索が、それぞれ高速に可能です。さらにwithEverには面倒だった「同期」が不要です。ついさっきFastEverで入力したばかりのノートでも、withEverの検索はヒットします。
以前から「FastEverにメモの履歴が残ってくれればいいのに」と嘆く声もありましたが、すぐに検索できるwithEverを利用すれば「FastEverに履歴を」の要望もほぼ不要になるわけです。
withEverで日付を検索する
withEverでもっともよく使うのは「日付で検索」。FastEverではタイトル前に必ず日付をワンタップで入力するようにして、Mac版のEvernoteを使っている際には、なるべく「日付タグ」をノートにまとめてつけるようにしておけば、外出先でまとめて容易に探し出せます。例えば下図のように「今日使う外出先情報」には今日の日付で作ったタグを付けておきます。すると、今日の日付である「20110803」という検索ワード1つで「20110803」と入ったノートも、このタグのついたノートも全部ヒットします。
先ほど紹介したようにFastEverで日付入力したノートと、同じ日付のタグがついたノートのすべてを、withEverから見つけ出せます。しかもwithEverは検索履歴を残してくれますから、一度その日付で検索をかければ、その後はワンタップでリスト表示させられるわけです。これはかなり便利です。
withEverとFastEverの組み合わせでiPhoneを使うようになって、ようやくすべてのメモはEvernoteにだけ集中させておき、いつでもどこでも利用するという方針を固められるようになりました。
タグ名としては日付の他、場所、人名などを入れておくということが当然考えられます。「タグ検索だけをできるようにしてほしい」という要望は自然考えられますが、意外にNotebook内の単語とタグ名の両方を拾ってきてしまっても、一覧性として問題のないレベルです。
最後に、withEver表示では見づらいというノートが実際あります。半分欠けてしまうなどということです。その場合、Safariから開くようにしてみてください。表示はまず問題なくなります。速度的にも私の環境では問題ありません。
筆者:佐々木正悟
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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