IT業界人3人が思う、雑誌を買わなくなった44の理由:アイデア発想実践記(3/3 ページ)
今回の発想メソッドは「欠点列挙法」。売れる雑誌のアイデアを考えるために、まずはなぜ雑誌を買わなくなったかを各人で挙げてみました。
続いては、上口さんと中山のアイデアです。
メモの内容 | 解説 |
---|---|
興味をそそるもの(お金をかけても欲しい物)が減ってしまった | 昔は雑誌にしか載っていない情報を集めるのが好きだったが、今はその目的がなくなった |
時間をそこにかけられない | 他にもやることがあり、学生時代のように雑誌を読むこと(や集めること)に時間を費やせない |
節約 | お金がもったいない |
付録ムダ | 付録はいらないからその分安くして |
立ち読み後で汚い | 不特定多数の人が立ち読みしたのは欲しくない |
マンガついていけない | 連載の途中から入れないし、続きを待つのもイヤだ |
Webでまかなえる | 内容によっては検索すれば分かる |
買いに行くのが面倒くさい | 引っ越しをしてから書店に行く機会が減った |
部屋のスペース(捨てないので) | 場所の問題 |
劣化する | 紙の宿命 |
電車の中吊り、新聞広告で大体分かる | (とくに下世話な週刊誌は)見出しで中身の想像がつくものがある |
長文読むのが面倒くさい(RSSの数行でいい) | 見出しやリード文の情報さえコンパクトにまとまっていれば事足りる |
服とかはWebの方がすぐ買える | 欲しい物があっても、本はクリックできないし、その場で買い物できない |
上口さんは回を重ねるごとにアイデア数が増えています。心なしか以前よりも文字数が減ってコンパクトにまとめられてきています。連載開始当初はトンチンカンなアイデアも混じっていたのに(失礼)。量をこなしつつ、20代らしい若者目線を披露してくれて、おっさん2人を「なるほどっ!(それがあったか、見落としていたなあ……)」と何度もうならせてくれました。
メモの内容 | 解説 |
---|---|
広告ページに金払うのもったいなくね? | 3分の1が広告だったりすると、なぜお金払って広告読まされるんだろうと思う |
全てタダにしてもいいよ | あらゆる雑誌がフリーペーパー化すれば読む |
どーせスポンサータイアップのオンパレードでしょ? | ちょうちん記事とステマが大半な気がする |
バックナンバーなら安くしてほしい(だったら買う) | 廃棄するくらいなら安く提供してほしい |
部分的に読みたいのに、紙だと丸ごと買う必要があるのがイヤ(コンテンツバラ売りして) | iTunesでアルバムの中の曲を単体で買えるように、雑誌の中の欲しい記事だけ買いたい |
写真が多すぎて、中身薄くない? | 写真でページを稼がれると損した気になる |
連載マンガを作者のペースに合わせて読むのツラい | 次の号まで待てないので単行本化したら買う。読みたくない漫画まで欲しくないし |
どんな商品もオススメしてきてウザい(メディアがブームを作ろうとする姿勢に反感) | 何でもかんでもバカの1つ覚えのように“マスト・バイ”って…… |
家にたまってしまって処分困る | 場所の問題 |
エッチいのは見るの困る(電車) | 電車の中で急にグラビアのページを開けてしまい、隣の女性に「まあ、お下劣」と思われてしまうのがイヤ(見るのが嫌いなわけではない) |
やたら文字数が多く、補足説明までしてあり、そのせいか最下位(10個)になってしまった私。カッコ付きの補足説明をしてあると一見丁寧な印象を受けるかもしれませんが、やらなくてよいと思います。意味や内容説明はその後の説明とディスカッションタイムで行えばよいので、書き出しタイムはメモだけに集中しましょう。自分の中だけで意味が成立していればOKで、メモそのものの出来栄えは無視しましょう。よって私のメモは、好ましくない例だと思ってください。
さて、前半のここまではステップ1「あら探しで問題点を挙げ、そこからアイデアを展開する」とステップ2「テーマの中で欠点や欠陥をたくさん挙げる」までしか進んでいません。ステップ3の「それらの欠点や欠陥が改善、克服している状態を考える」とステップ4の「その改善、克服した状態を実現するアイデアを考える」は後編で紹介します。
どの欠点をどんなアイデアでどう解決するのか? それぞれの評価は? どんな広がりを見せるのか? ベストアイデアに選ばれるのはどれか? 後編に続きます。
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