中国人はポイントより現金値引きの方が喜ぶ:中国ビジネス、ここだけの話
中国人には、見えない利益より見えるメリットを取る習慣がある。日本の消費者が喜んで受け入れるポイントも、中国人は恐らく誰も喜んではくれないだろう。
日本には、顧客に長期的に商品を買ってもらうようにポイントカードを発行する習慣がある。たまったポイントで他の商品を買わせるシステムが実に巧妙だ。だから日本の主婦達は、財布を開くとたくさんのポイントカードが入っているのが普通である。物を買うときにどんなカードを使うか、カードをどのように組み合わせるか、それは主婦達の腕の見せどころで、買い物の楽しみの1つなのだろう。
日本の通販ショッピングサイトの大半も、Webウェブページの目立つところに、ポイント獲得キャンペーンを大いに宣伝する。「本日限り、買い物をしてくれるお客様にポイントを何倍を差し上げる」など必殺の煽り文句をよく見かけるはずだ。
日本の消費者はそれを喜んで受け入れる。だが、中国で同じやり方で宣伝したら、恐らく誰も喜んではくれないと思う。
それはなぜか? 中国人には、見えない利益より見えるメリットを取る習慣があるからだ。買い物でもポイントより現金値引きの方が喜ぶ。理由がいくつか挙げてみる。
現金で買う美学
まず、第一に、中国人は昔から現金主義の伝統がある。現金さえ財布に入れれば、何なかの安心感を得られる。よく日本のマスコミに報道されるように、来日した中国人が買い物するとき、ほとんど現金決済だった。中には日本の不動産を買うのも何千万円の現金で一括支払った強者もいたようだ。
次に、中国の店や通販サイトでは簡単にオープンできる一方、競争が激しいため消えるのも速い。今日この店(サイト)で商品を買ってポイントをもらったとしも、次回買い物をするときにこの店(サイト)がまだ生き残っているかどうか、誰も保障してくれないし、予想もつかない。
公式な発表によると、中国では新規会社の平均寿命はただの3年半である。一方、消費者を保護してくれる法律はまだ不十分。いったん店が閉まったら、せっかく今までまじめにたまったポイントはもちろんパーになってしまうのだ。
中国の百貨店やスーパーマーケットでは、ポイント制の代わりに「買い物の金額がいくらに達してくれると、いくらの現金を還元してあげる」という販促手法がよく使われる。例えば300元の商品を買って50元の現金を還元すると実質の17%の値引きになる。これで消費者も気持ちよく買い物をしてくれるという。
やはり中国人にとっては未来のリスクを心配しながらポイントを溜めるより、今現金値引きをしてくれた方がお得感を感じるのだ。
※この記事は、誠ブログの「一葉落、知天下秋 - 中国人在東京:『中国ビジネスのここだけの話Vol.2』-品質さえよければ、必ず中国で売れるってただの思い込みだ!」より転載、編集しています。
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