自己評価+他者評価で見えるもの――成長できない人が陥るワナとは?:明日の私を強くするビジネス元気ワード(2/2 ページ)
他者からのフィードバックは、仕事のスキルを高める時だけではなく自分の仕事の進め方を省みるときにも使えます。同じような進め方でうまくいかないときは、他者からどう見えているのかフィードバックをもらってみましょう。
リーダー あのね、私はその声は強みではないと思ってるよ。
今度はきょとんで済まされない。結構ショックを受けた。
リーダー あ、誤解のないように言っておくと、あなたの声はすてきだと思う。ただ、電話口の相手が聞き取りやすい声ではないと思うんだよ。ハスキーさと少し声が小さいところが一緒になって、余計に聞き取りづらくなっている。相手に聞き返されることってない?
私 あります……、よく。
リーダー そっか。だからね。もう少し声を大き目に出して、後少しだけ高めの声を出して対応してみたら? そうすれば、聞き返されることはなくなるよ。
そうか、よく顧客に聞き直されるのは、耳が遠いんではなくて私の発声の問題だったんだ。でも……。黙った私に、リーダーは確認してきた。
リーダー 他の人に、録音データを聞いてもらわなかったの?
私 ……はい。
リーダー じゃ、今度から録音データや自分の対応を他の人に見てもらってフィードバック(コメント)をもらってごらん。繰り返しになるけど、自分で自分を振り返ったことは、とても行動力があってよかったと思ってるよ。でもそれだけだと、今回のあなたみたいに正確に状況を客観視できないことがあるんだ。だから、他の人からいろいろフィードバックをもらうとよいんだよ。そうすると、客観性が上がるでしょう?
リーダーの言っていることは理解できる。でも、他人に見てもらうのは正直気持ちが引いてしまうことがある。ダメ出しばっかりされるとやはり落ち込むし……。その思いをリーダーに伝えてみた。
リーダー 確かにダメ出しゴッコみたいに、言い放しの人はいるよね。あんまりいい気はしないよね。でもね、なぜフィードバックもらうのか考えてみると良いよ。なぜフィードバックを受けて、客観性を上げる必要があると思う?
私 ……分かりません。
リーダー フィードバックを受ける目的は「現時点の最も適した方法を最短で見つけるため」といえば分かりやすいかな。例えば「あなたの声はこういう特徴があるよ。だからこういう発声のほうが、相手は聞きやすいよ」とか。
こうやって初めにきちんと客観視できないと、その後間違った努力の仕方をしてしまって結果的に試行錯誤の時間が長くなるだけだからね。よい方法が見つかれば、それだけ早く、成果に結び付きやすくなるんだよ。本当はフィードバックする人も、相手がへこんだりしないように、きちんとフィードバックするスキルを身に付けて欲しいんだけど……。人に期待するのは時間のロスだから、これはあきらめて。
そう言ってリーダーは笑って、私の肩をたたいてデスクに戻っていった。
私は成長するために、まず自分を客観視するために録音データを聞いた。でもその時分析した結果が正しくなかったために、その後の対策もずれた方向に設定してしまったことが分かった。
気持ちの抵抗はまだあるけれど、より客観性を高めるために誰かに「フィードバックお願いします」と頼むことが、今の私に必要だと思った。
今日の元気ワード:振り返りが自己満足にならないように気をつけましょう
他者からのフィードバックは、仕事のスキルを高める時だけではなく自分の仕事の進め方を省みるときにも使えます。同じような進め方でうまくいかないときは、他者からどう見えているのか、フィードバックをもらうのは有効です。
※この記事は、誠ブログの明日の私を強くするビジネス元気ワード:成長出来ない人がおちいるワナとは?より転載、編集しています。
誠ブログでは、ブログを執筆してくださるブロガーを募集中です。詳細については、「誠ブログとは?」、「FAQ」をご覧下さい。
関連記事
成長に差が出るのはなぜ? 成長する人が必ずしているコト
何においても頑張ることは良いこと。ただ、やみくもに頑張るのではなく、成功も失敗も分析して戦略的に次に生かすように頑張った方が、もっと効果が望めるだろう。
何で自分の提案は通らないの? と思ったときにできる1つのこと
ほぼ同じ内容の提案を、私がすると通らないのに先輩がするとすぐに通る。そこにはある1つの理由があった。
「ツマラナイ作業」を「ツマル作業」にするには?
いまの仕事がつまらない――。そんな人は「ではどんな仕事だったら、楽しめそうか」を明確にし、その仕事が自分の理想にどのように関わっているかまで考えるのがオススメです。
「この仕事ヤダ」――不本意をチャンスにする方法とは?
人材教育コンサルタント会社に入社して3年目の私。先日希望と違う部署に異動になり、周囲や仕事とうまくかみ合わず悩み気味です。そんなとき、ある先輩に言われた一言にはっとしました。
辞めません、でも頑張りません――「新・ぶら下がり社員」現る
【集中連載】「辞めません。でも、頑張りません」。そう考える30歳前後の社員が増えている。そんな彼らのことを筆者は「新・ぶらさがり社員」と呼ぶ。目的がないゆえに、会社では時間を「潰す」ことに明け暮れ、常に70%の力で仕事に取り組む。そんな彼らの実態に迫る。
異動や転職の「節目」で縁をつなぐいくつかのコツ
4月は昇進や昇格、異動や転勤、転職の時期。とはいえ年度の終わりや始まりは忙しいものです。お付き合いがあった人へあいさつもできないままとなってしまうことも多いはず。こんなやり方でうまく“縁”をつなげてみてはいかがでしょう。
突然の異動、そして……
新人マネジャーがいかにマネジメントに取り組むかを小説スタイルで解説する新連載「新人マネジャー田所晋一の場合」。ある日突然、異動とともに昇進を言い渡された主人公・田所晋一の物語が始まります。
人事異動の繰り返しで「マニュアル」を見える化する
マニュアル作りは、組織の「総合力」を高めるのに必須事項。武蔵野のマニュアルは、人事異動を繰り返すことによって進化するしくみになっています。
異動、転勤、転職、起業――変化を成長につなげるための2つのヒント
上司から「人材育成計画を作ってくれ」と頼まれたらどうしますか。そんな急な依頼や相談にも応えられるよう、異動、転勤、転職、起業といったライフイベントを踏まえて、人材育成やキャリアについて考えるヒントをお伝えします。
